外断熱と内断熱。断熱方法で差がつく快適な住まいづくり!
快適な住まいは、間取りはもちろん、設備機器など各部分が総合されることによってできあがります。そこで、意外に重視されていないのが住まいの温熱環境です。温熱環境を一定に保つには、断熱を適切に行うことですが、断熱材は壁の中に入って目に見えないので、なかなか考えつきません。
断熱には外断熱と内断熱がありますが、それぞれの特徴を比較してみます。
【目次】
外断熱の特徴
外断熱は熱容量の大きい建物の外側に断熱層を設け、建物を外気から断熱する方法です。断熱材が構造物(柱や間柱)よりも外側にあり、次のような特徴があります。
- 断熱材は外壁仕上げ材のすぐ裏に設置される
- 建物全体を断熱材で包む
- 防湿性が高い
- 建築コストが割高
- C値(※)は2平方センチメートル程度
外断熱工法のメリット・デメリット。結露に強いが適切な換気が必要
■外断熱工法のメリット- 結露がおきにくい
- 構造体を覆うため気密性が高くなる
- 柱などの構造体が保護されることになるので痛みにくい
- 工事費が多少高い
- 外壁が厚くなるので、敷地廻りに余裕がほしい
- 断熱材の上から外壁材を留めるので、地震などの時多少不安
- 高気密高断熱になりやすいので換気計画が必要
内断熱の特徴
内断熱は構造物(柱や間柱)よりも内側にあるものをいいます。柱と柱(または間柱)の間に断熱材を挟み込む工法が一般的で、次のような特徴があります。- 断熱材は柱や間柱の隙間に入れられる
- 建物の軸組や構造材の部分は全く断熱されない
- 軸組や構造材に湿気ができることもある
- 建築コストは一般的
- C値は8平方センチメートル程度
内断熱工法のメリット・デメリット。費用は安いが気密性は並み
■内断熱工法のメリット- 工事費は外断熱より安い
- 外壁は厚くならない
- 施工が容易である
■内断熱工法のデメリット
- 施工が悪いと結露が起きやすい
- 気密性は外断熱よりは悪い
- コンクリート造か木造かによって差がでる
外断熱か内断熱を選ぶなら、防湿と予算・地域を考えること!
■断熱性や気密性は外断熱が優れている断熱性能や気密性能を数値の観点でみると、外断熱が優れています。従来の戸建て住宅では、一般的な断熱方法は内断熱でした。では内断熱は時代遅れの工法なのでしょうか。
そうではありません。地域によって外断熱と内断熱を使い分けるとよいのです。北海道や東北などの寒冷地では外断熱が有効に働くでしょう。本州では内断熱でも問題ありません。ただ施工性が悪いと、壁内で結露を起こす恐れがあります。
■内断熱は断熱材の選び方が重要
仮に内断熱で湿気を気にされるのであれば、セルロースファイバーで透湿シートを採用することです。セルロースファイバーの原料は新聞紙ですが、5~8%のホウ酸が混入されているので、耐火は問題ありません。また、機械によって吹き込むため、施工性の不具合は起こらないのです。
「外断熱」か「内断熱」かを決める判断は工法も大切ですが、どんな断熱材を入れるかによって違ってきます。予算はもちろん専門家と相談しながら総合的に決めてください。特に室内での「暑さ」「寒さ」は個人差があるので、快適さの基準は明確にしておくことです。
さらに、透湿シートは細かい水蒸気だけが通過するので、湿気も壁内には溜まりにくいのです。
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