注文住宅/家づくりのイメージづくり・アイデア

自然素材・高気密・高断熱にすれば健康住宅ですか?

「健康住宅」の定義はさまざまで、よく自然素材でできた家や高気密・高断熱の家などが紹介されたりします。最近の動向をふまえながら、あらためて健康住宅を見つめ直してみましょう。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

「健康住宅」とは住む人、さらに家の構造もすべて健康につくられていること

健康住宅の定義はさまざまですが、自然素材でできた家や高気密・高断熱の家などが紹介されることが多いです。もちろんこちらも間違いではありません。

もっと視点を広げて考えてみると、
  • 快適な睡眠ができるように朝の光の入り方が工夫されている
など、安心安全で環境に負荷を与えない家づくりのこと。つまり、そこに住む人はもちろん家の構造もすべてに「健康」というキーワードで配慮された住まいであると言えます。

最近の動向をふまえながらあらためて健康住宅を見つめ直してみましょう。

これからの健康住宅にはゼロエネルギー住宅(ZEH)も加わります

一般に健康住宅は
  1. 空気の質
  2. 温熱環境
  3. 光環境
  4. 音・振動環境
  5. その他(結露、防カビ、防虫)
が考えられます。

さらに近年は温熱環境の中でゼロエネルギー住宅(ZEH:ゼッチ)も取り入れられるようになってきました。これは2020年までに新築住宅について新省エネルギー基準への適合を国が義務化する方向にあるからです。

ZEHとは1年間の消費エネルギーより住宅でつくったエネルギーの方が多いということです。現時点では太陽光発電が中心となります。

一般にはまだ馴染みはないと思いますが、今後健康住宅を考える上で必ず出てくる用語になると思われます。

健康住宅を考える際に大切なこと

健康住宅をつくる上で、単に性能や数値を満足するだけでよいのかという議論もあります。そうではなくやはり地域ごとの気候条件に沿った工夫も大切です。

たとえば寒冷地方であれば床下の断熱、あるいは基礎立ち上がり部分の外断熱などです。
夏場に気持ちの良い風が入るのであれば間仕切り壁ではなく、襖(フスマ)にして季節の変化に対応できるようにしておくことも考えられます。

デザイン面においても自然の持つ風合いや素材の質感を活かした使われ方をしているかも大切です。

単に床は無垢材、壁はケイソウ土を採用したからといって健康住宅にはならず、トータルな空間のコーディネートも重要なポイントになるのです。

専門的になりますが、これからはこんなことも

従来の熱環境の指針は熱損失係数(Q値)という用語を使っていましたが、これからは外皮平均熱貫流率(UA)という用語で健康住宅が表現されるかも知れません。

これは住宅の断熱性能を表わし、数値が小さいほど性能が高いことを表わしています。地域や平面計画によって数値は変わってきますので、断熱に高い関心をよせているのであれば設計士に質問してみてはいかがでしょうか。

設備の考え方はどうする

より高いレベルの健康住宅を希望する人は設備のシステムにも関心を寄せることが多いようです。

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一般的に馴染みのあるシステムは全館空調です。さらには放射冷暖房システムなどもあります。それぞれにメリット・デメリットがありますので、設置した後のランニングコストなどトータルな視点で検討していくことです。

できれば家庭のやりくりも健康的にしていきたいですね。

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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