住宅設計・間取り/キッチン・洗面・寝室・子供部屋の間取り

思春期の子育てを家づくりでサポート!個室の与え方・使わせ方に気を配ろう

子育てで難しい年頃というのは思春期の始まる小学校5、6年生。家の中では1人になれる場所を求めます。個室は場合によっては非行の密室、孤独な独房になります。プライベートと団らんの場の上手なつくり方とは。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

小学校6年生の子育て


一般に、小学校4年生くらいまでは宿題をしたり、友達と遊ぶ場にリビングがあります。子どもにとって家中が遊び場になり、一つの部屋に固執することがありません。しかし小学校5、6年生あたりになると前思春期になり、少しずつプライバシーを意識しだします。


子どもに個室を与えるタイミングはこの時期!

この時期の家づくりは、子どもの個室を用意することです。子どもに芽生えたプライバシーを認めてあげ、その意味を込めて部屋を与えるのです。この時、自分の部屋は自分で整理整頓、清掃をするのだという自覚や責任を持たせることが大事です。自分の部屋を持つ意味がわからないまま与えてしまうと、子どもは自分の好き勝手にしていいのだと思い込んでしまう危険があります。そして、子どもの部屋の掃除を親がやってしまうと、干渉されたくないという思春期の心を余計に刺激し、親子関係を悪化させます。部屋を与える時点でしっかりと約束し、習慣づけてあげましょう。

~家づくりプラス@のポイント~
掃除、家事手伝いは家族の大事な交流点
日本の家庭には勉強を優先させて、家の手伝いをあまりさせないという風潮があります。これは親子関係の分断を招きかねません。親子が一つ屋根の下で生活する意識を遠ざけ、互いに会話するきっかけを失います。

共働きでもできる!

共働きの多い現代ですが、両親の仕事柄なかなか一緒にゆっくり過ごす時間がないという場合があります。そういう場合でも工夫次第で親子が対話するきっかけがつくれます。建具を上手く使って、壁を密閉せずに上部を欄間にする。これだけで家族の話し声や明かりの洩れによって、気配を感じられます。自分の存在だけでなく、他人の存在を確認することで思いやる心を育みます。最近の少年事件の裏側に見え隠れする住まい状況は、家庭の中で孤立しているため、親が非行に気づくことのできない状況があるといえます。

子どもが成長する上で部屋を持つことは、精神的な自立を促し良いことです。気をつけたいのは部屋の与え方、使わせ方、そして親の関わり方なのです。子どもが住まいの中で孤立しないよう、家づくりにもひと工夫ほしいですね。

育ち盛りの子ども3人の父親がリフォームでこだわった家族のための家づくり事例は

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