日本人の「白」
調査によると日本人が好きな色は青系統と白であるといいます。また「住む」は「澄む」と同根であり、気体や液体が透明になっていくことを表す語です。青や白も爽やかな色で、日本人がいかに澄んで清らかな空間を求めてきたかが分かります。ちなみに「住まい」の「す」は歯音で、古代の人は「す」音に神、生命発現の根源を見ていたようです。
・素木はなぜ「しらき」と読むのだろう
日本人が好きな色は白ということですが、素木は「しらき」と読みます。これは何も染まっていない状態です。日本ではこれも「しろ」です。日本の伝統的な建築材料は木にしても紙にしてもそのまま素の材を使います。それが時間の経過によって変形や変色する有様をわびさびと呼び、素の材には目の見えない力が寄り付き、美しさを増すと感じていたのです。日本人が白を好むのは実はこうした文化的背景があるのではないでしょうか。モダンデザインは白
1920年代に登場したモダニズム建築は装飾を排し、直線と白で空間を構成しています。合理的で機能的な表現はデザインの可能性を広げ、時代を経ても陳腐にならない強さがあります。白は膨張色なので部屋を広く、明るく見せることができます。白を使う面積が大きければ大きいほど部屋は広く見えます。