住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのテクニック

北側のひかりを活かす

土地の購入を検討する際、一番初めに考えるのは日あたりです。つまり東側、南側の周辺環境を気にします。それでは北側はどうでしょう?北側の光を考えることで、より快適な住まいがつくれるのです。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

北側のひかり

土地の購入を検討する際、一番初めに考えるのは日あたりです。つまり東側、南側の周辺環境を気にします。また、建物の配置や間取りを考えるときにも、東側の朝の光、そして日中の南側の光がどう室内に入るかが重要なポイントとして考えられます。

そして次に西側の光による夏の暑さ対策、北側の開口部(光)による寒さ対策を考えます。どちらかというと、西側の光よりも北側の光はあまり考えられないのではないでしょうか。建物の北側は一般的に、浴室、洗面脱衣室、トイレなどが並び、それ程光を必要としないからでしょう。しかし北側の光は、取り入れ方によってはとても落ち着いた雰囲気を出してくれます。作家の書斎などは北側に設けられることが多いのですが、それは北側の安定した光に精神的な落ち着きを求めているからです。

白樺派作家 志賀直哉自邸をみる

暗夜行路などの名作で知られる文豪 志賀直哉は、奈良に自ら自邸を設計しています。昭和4年に竣工され、夫婦と子ども6人の8人家族で過ごしました。

志賀直哉自邸

志賀直哉自身の書斎は玄関の左隣にあり、広さは6畳ほどあります。そして机は北側の窓を向くように置かれており、その窓からは若草山が望めます。日の光の影響を受けにくい落ち着いた光を求めて、志賀直哉自身がレイアウトを考えたようです。全体の間取りからもわかるように、家族の「動と静」の動きをよくとらえてプランニングされています。そして、廊下がとても重要な役割を果たしていることがわかります。

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