住宅設計・間取り/住宅設計・間取りのポイント

間取りを考える前に2-コミュニケーション

「間取りを考える前に」シリーズ、第2回目の今回は“家族のコミュニケーション”をテーマに考えていきたいと思います。家族関係を深めるには、間取りのあり方が重要な役割を果たすのです。

佐川 旭

執筆者:佐川 旭

家を建てるガイド

事件と間取りの関係

近年、生活が豊かになっているにも関わらず、家族間での事件が増えています。さらに自殺者もここ数年は3万人を超えています。事件の背景にはさまざまな原因がありますが、家族関係が最も重要であるということは言うまでもありません。家族関係を深めるために、住まいの間取りが重要な役割を果たすのです。

縦方向の広がりをつくる

住まいは一般的に、部屋と部屋をつないで間取りを考えます。そしてより機能的で合理的な間取りを良しとします。つまり「横方向の広がり」が軸です。しかし実際、住まいには2階もあるので、「縦方向の広がり」も大切になります。そんな縦方向の広がりで空間に開放感を演出してくれるのが吹抜けです。大きな吹抜けをつくると、冬の寒さが心配だという方がいるかもしれません。しかし家全体をしっかりと断熱し、床暖房や蓄熱暖房機などを設置すればそれ程心配しなくても大丈夫です。

吹抜けでつながる家族の会話

1階を共用スペースとし、2階の個人スペースと吹抜けでつなげる間取りでは、自然と親子の会話が増えます。これはただ単に吹抜けを設けたからではありません。快適性や家族との距離感、そしてバランスが大切になるのです。吹抜けなので時には物音や足音なども聞こえてくるでしょう。しかしそういった気配が子どもの安心感につながるのです。


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