生活立地が変われば、住み心地も変わる
次に、ちょっと乱暴ではありますが、生活立地別の住み心地の評価をしてみます。私が企画運営する「マンション評価ナビ」では、以下の項目を評価基準にしています。評価基準 | 具体的な評価項目 |
仕事や通勤に便利 | 都心(勤務地)での乗車時間、都心への交通アクセス、最寄り駅までの徒歩時間 |
便利で楽しい暮らしができる | 日常の暮らしに必要な生活施設、暮らしの幅を広げる生活施設、学校・医療・役所等の公共施設 |
閑静な住環境 | 隣接地の状況、公園・緑地等の状況、交通騒音、嫌悪施設の有無 |
日々の暮らしが安全 | 街灯、交番の状況、ひったくり、侵入窃盗・空き巣、周辺の土地利用状況 |
この評価基準をもとに、3つの生活立地の住み心地を比較してみます。
生活立地 | 仕事や通勤に便利 | 便利で楽しい暮らしができる | 閑静な住環境 | 日々の暮らしが安全 |
駅近エリア(~5分) | ○ | ○ | × | × |
徒歩圏エリア(6~10分) | △ | △ | △ | △ |
ギリギリ徒歩圏エリア(11分~15分) | × | × | ○ | ○ |
上記の表から分かるように、駅に近い駅近エリアほど、いろいろな生活施設・商業施設があり、便利で楽しい暮らしができそうです。反面高層ビルが建て込み、不特定多数の人間が利用する駅近エリアは騒音や、犯罪を覚悟する必要がありますし、日照・通風が期待できないことも覚悟する必要があります。
徒歩11分~15分のギリギリ徒歩圏エリアは、敷地にゆとりを持たせたマンションが多く、日照・通風は確保しやすいですし、交通騒音も気にならない場合が多いでしょう。並木道や公園など緑も豊富になり、学校も近くにあることが多く、子育て環境が整っています。
徒歩6分~10分の徒歩圏エリアはちょうど2つのエリアの中間に位置します。その分、仕事や通勤・便利で楽しい生活・閑静な住環境いずれも、ほどほどということになります。そのせいか、マンションはこのエリアに多く建つ傾向があります。
次のページでは、仕事中心か生活重視かで異なる生活立地の違いをみてみましょう。