【ガイドの不動産売買基礎講座 No.6】

一つの敷地に建てることのできる建物の大きさを制限するものとして、第3回で説明した ≪建ぺい率と容積率≫ のほかにも次のような規定があります。

1.絶対高さの制限
2.道路斜線制限
3.隣地斜線制限
4.北側斜線制限
5.日影規制(日影による中高層建築物の高さの制限)

1の「絶対高さの制限」は、第1種低層住居専用地域および第2種低層住居専用地域において定められるもので、都市計画により指定された高さ(10mまたは12m)を原則として超えることができません。

2から4の斜線制限については、いずれも立ち上がりと勾配で制限範囲を定めるものです。詳しい内容については ≪建物の高さ制限、斜線制限のキホンを知る≫ をご参照ください。

このうち「道路斜線制限」はすべての用途地域で、「隣地斜線制限」は第1種低層住居専用地域と第2種低層住居専用地域を除く用途地域で、「北側斜線」は第1種低層住居専用地域・第2種低層住居専用地域・第1種中高層住居専用地域・第2種中高層住居専用地域のみで適用されます。

みなさんも、少し高さのある家の屋根の隅がいびつな形状になっていたり、ビルやマンションの上階のほうが斜めに奥まっていたりするのをご覧になったことがあるでしょう。それはこれらの斜線制限による影響です。

5の「日影規制」は住居系の用途地域を中心に指定されるもので、計画する建物の主に北側エリアの日照を確保するために定められます。この規制により、計画建物の周囲の敷地の日照は、冬至日で最低2時間が確保されることになっています。

裏を返せば、日影規制のない商業地域などでは隣のマンションの日照を完全に遮ってもよいことになります。実際に日照のないマンションに住んでいる人も少なからずいるでしょう。

なお、商業系の用途地域では上記の制限とは逆に、建物の「最低限の高さ」が定められている場合もあります。

さらに、自治体によっては上記以外に「高度地区」の制限を加えて建物の高さを規制していることがあります。詳しくは ≪自治体ごとに異なる、高度地区の制限とは?≫ をご参照ください。

これらの制限により、指定された容積率が大きな敷地であっても、それをまるまる使える(業界では「食える」ともいいます)とは限らないのです。

マンションや一戸建て住宅を購入する場合はそれほど気にしなくても大丈夫なケースが多いものの、土地を買って住宅を建てようとする場合には、建ぺい率や容積率だけでなく、斜線制限なども念頭に置いて事前にボリュームチェックをすることが欠かせません。

また、一般的に違反建築といえば容積率オーバーを考えがちですが、上記の斜線制限などが守られていない場合もやはり違反建築となります。

中古一戸建て住宅を購入する際には気を付けたいところですが、斜線制限違反については媒介業者でもなかなか判断できず難しいケースもあるでしょう。


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