売買価格の違い
宅地建物取引業者が売主だからといって、相場より高く売れるわけではありません。あくまでも売却するのは相場価格が基本となります。しかし、商売ですから当然ながら利益は上乗せしています。つまり、安く仕入れて相場で売るわけです。世の中にはさまざまな事情で、所有する物件を安くても急いで換金せざるを得ない人がいます。そのような物件を宅地建物取引業者が買い取って消費者へ転売するケースもあるでしょう。
ただし、リノベーションなどによって中古住宅の価値を高めることにより、業者が販売する物件のほうが高い売買価格となることもあります。
消費税は業者が売主の場合だけ
宅地建物取引業者が売主の場合、本体価格のうち建物部分に対して消費税が課税されますが、土地部分は課税されません。広告などでは消費税込みの総額だけを表示していることも多いでしょうが、重要事項説明書や売買契約書ではその内訳(土地代金、建物代金、消費税額)を明示することになっています。
個人が売主の場合には、いうまでもなく消費税は課税されません。
媒介手数料は同じ
宅地建物取引業者が売主の場合、その売主との間で直接に購入の契約をすれば、媒介手数料は不要です。しかし、媒介業者を通じて購入する場合には、売主が業者であろうと個人であろうと媒介手数料が必要となります。それでは、個人の売主から直接買ったときはどうでしょうか。当然ながら媒介手数料は不要となりますが、いろいろな意味で現在の状況下では避けたほうが賢明です。どうしてもという場合には、できるかぎり専門家のフォローを受けるようにしてください。
内装や設備のリフォームは?
宅地建物取引業者が売主の場合には、販売前に内装のリフォームや設備の取り替えなどをしているケースも多いでしょう。しかし、それは最大公約数的なものですから、あまり凝った内装や最高級の設備を取り入れるわけではありません。ただし、最近ではリノベーションの考え方が浸透し、室内を大きく造り替えたうえで販売されることもあります。設備の大半が取り替えられていることもあるでしょう。
個人が売主の場合でも、少しでも売りやすいようにと内装工事をしているケースがあるものの、どうしても業者が行なうより低額の工事に留まってしまうことが多いようです。
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