【ガイドの不動産売買基礎講座 No.49】

品確法(住宅の品質確保の促進等に関する法律)が施行されたのは2000年4月です。それ以前は住宅性能の表示や評価に関する共通ルールがなく、複数の物件を客観的に比較することが難しい状況でした。

品確法の施行から16年あまりが経ち、新築住宅に対する性能評価書の累計交付戸数は、「設計」が約277万戸、「建設」が約212万戸(2016年6月末現在)となっています。

その一方で、新築住宅より遅れて2002年12月にスタートした既存住宅(中古住宅)の性能評価書交付戸数は累計でわずか4,798戸(2016年6月末現在)にとどまっています。

これは、新築住宅の性能評価書が「一定レベル以上の性能を有することの証明」的な意味合いを持つのに対して、既存住宅の性能評価書は「建物状態の採点表」的な意味合いが強いことも影響しているかもしれません。

それはさておき、新築住宅における品確法の規定について、その主なポイントを簡単に整理しておくことにしましょう。


瑕疵担保責任期間は10年を義務付け

建物に隠れた欠陥など(瑕疵)があった場合に、売主業者は最低10年間の保証が義務付けられています。建築工事請負契約の場合には、建築業者が同様に10年間の保証をします。

品確法の施行前は、民法の規定(瑕疵を発見した日から1年間)もしくは宅地建物取引業法による規定(引き渡し後、最低2年間)しかなく、実際の契約上でも(業者独自の保証規定は別として)瑕疵担保責任期間を2年に定めることが少なくありませんでした。

10年間の瑕疵担保責任の対象となるのは、基礎・柱・梁・屋根など建物の構造耐力上で主要な部分および雨水の侵入を防止する部分となっています。また、瑕疵担保責任期間は、特約により20年まで延長することが可能です。

なお、売主業者や請負業者が倒産した場合などでも確実な保証が受けられるように、2009年10月1日に「住宅瑕疵担保履行法」がスタートしました。これは事業者に保険や供託を義務付けるもので、万一の場合でも2,000万円までの補修費用の支払いなどを受けることができます。


住宅性能表示制度の利用は任意

建物の耐震性・耐火性・防火性・耐久性・断熱性・シックハウス対策などについて、国土交通大臣が指定する「登録住宅性能評価機関」による検査・評価を受けられるようになっています。これが冒頭に述べた「性能評価書」で、設計段階と完成段階の2種類に分かれています。

新築住宅の場合には10分野33項目(うち4分野9項目が必須)で評価されますが、「設計住宅性能評価書」は設計図書を検査したもの、「建設住宅性能評価書」は施工時点と完成時点で検査したものとなります。

また、評価書に表示された住宅の性能は、その内容が契約事項とみなされるため、評価事項どおりの建築がされなければ事業者の契約違反となります。

ただし、性能評価書の申請は設計、建設とも任意であり、すべての新築住宅について交付されるものではありません。


紛争処理への対応

品確法の規定にもとづいて「指定住宅紛争処理機関」(単位弁護士会)と「住宅紛争処理支援センター」が創設されました。売主業者または請負業者と消費者の間で紛争が生じたときには、その「円滑かつ迅速な処理」にあたることとなっています。

「住宅紛争処理支援センター」に相談することは誰でも可能です。しかし、面談での専門相談の場合に、「建設住宅性能評価書」がある住宅については無料ですが、その他の住宅では有料となります。

また、「指定住宅紛争処理機関」による紛争処理は、原則として1万円の費用負担で利用することができます。

ただし、「指定住宅紛争処理機関」の利用は「建設住宅性能評価書」が交付された住宅(および住宅瑕疵担保責任保険に加入した住宅)の場合に限られ、「設計住宅性能評価書」のみの交付を受けている住宅、および評価書そのものを受けていない住宅は対象外です。


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