ずっと賃貸住宅に住み続けるのがトクか、それとも思い切って住宅を購入するのがトクか? ライフスタイルが多様化し、人々の価値観や生き方、考え方も大きく異なる現代では、永遠に結論の出ない命題なのかもしれません。
親が所有する住宅に同居している人や、将来に親の住宅を単独で相続する予定の人もいるでしょう。また、真剣に考えるまでもなく 「目の前の土地が余っているよ」 という人もいるでしょう。あるいは、 「いまは買うべきではない」 と即座に判断できる地方都市の人もいるでしょう。
しかし、大多数の都市生活者にとっては、住宅を購入すべきかどうか切実な悩みです。そこで今回は、住宅購入に対するひとつの考え方を提示してみることにしましょう。
■ 土地神話の崩壊と持ち家志向
日本の一般国民による土地所有の歴史はそれほど古いものではないようです。江戸時代までは土地所有が一部の特権階級の人 (家) に限られており、一般国民が土地を所有するようになったのは明治政府によって近代的な私的所有権が認められ、土地の自由な取引が行なわれるようになってからのことだとか。
一方で、昭和の高度成長期から顕著になった日本人の持ち家志向ですが、いま一度原点に立ち返って “住宅 (不動産) の利用価値” を重視しよう、所有権にこだわるのはやめよう、という議論も盛んになってきました。
しかし、土地や住宅を購入しない生き方を選択すれば、目の前には毎月の 「家賃支払い」 という問題が立ちはだかります。一方で、購入することを決断すれば、こちらにもやはり 「住宅ローンの支払い」 という大きな荷物を背負うことになります。給料の数か月分程度で購入できるならばいざ知らず、年収の数倍に匹敵する買い物をするのには少なからず勇気も必要ですね。
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