マンションの耐震強度偽装事件が世間を騒がせた時期もありましたが、そのような欠陥マンションは論外だとしても、既存不適格建築物である中古マンションは数多くあり、大きな問題点を抱えています。
(東京都世田谷区 三宿の住人さん 30代 男性)
これには、都市計画事業の施行などで土地の一部が収用されて敷地面積が減った結果として、容積率を超えることになったような場合も含まれます。
古いマンションでは、違反ではないが現行の法令には適合していないケースも多い
もっとも、違反建築物であってもほとんど野放しなのが現状でしょうが……。
ただし、既存不適格建築物において一定規模以上の増改築などをしようとすれば、現行の法令に適合させるよう全体の手直しなどが求められます(一部、緩和規定あり)。
ひとくちに既存不適格建築物といっても、新耐震基準が施行される以前の建築物や、耐火構造に問題があるもの、建ぺい率や容積率、高さの制限をオーバーしたもの、用途の制限に合わないものなどさまざまです。
ご質問のように「将来の建替えのときには同じ規模のものが建てられない」というときには、たいてい現行の容積率の制限を超えているものと考えられます。なお、容積率には適合していても、斜線制限などで思うように建てられないケースもあります。
マンションの場合、現行の容積率を超えている既存不適格建築物は意外と多く、中古市場でもごく普通に流通しています。既存不適格建築物になってしまった原因はいろいろですが、その問題点などを十分に理解して購入するかどうかの判断をしなければなりません。
それでは、どのような場合に既存不適格建築物となるのか、そしてどのような問題点があるのかを考えてみましょう。
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