住宅ローン控除(増改築)の適用対象の拡大

すでに居住している住宅で増改築工事などを行なった場合の住宅ローン控除は、これまで「大規模の修繕・模様替え」など一定規模以上の工事が対象となっていました。今回の改正により「大規模の修繕・模様替えなどに至らない規模の、一定のバリアフリー改修工事」が住宅ローン控除の対象に加わります。

一定のバリアフリー改修工事 (次のいずれかに該当する工事)
〔廊下の拡幅〕
介助用の車いすで容易に移動するために通路または出入口の幅を拡張する工事
〔階段の勾配の緩和〕
階段の設置 (既存の階段の撤去を伴うものにかぎる) または改良により、その勾配を緩和する工事
〔浴室改良〕
入浴またはその介助を容易に行なうために浴室の床面積を増加させる工事
浴槽をまたぎ高さの低いものに取り替える工事
固定式の移乗台、踏み台その他の高齢者などの浴槽の出入りを容易にする設備を設置する工事
高齢者などの身体の洗浄を容易にする水栓器具を設置する工事、または同器具に取り替える工事
〔便所改良〕
排泄またはその介助を容易に行なうために便所の床面積を増加させる工事
便器を座便式のものに取り替える工事
座便式の便器の座高を高くする工事
〔手すりの設置〕
便所、浴室、脱衣室、居室、玄関、廊下などに手すりを取り付ける工事
〔屋内の段差の解消〕
便所、浴室、脱衣室、居室、玄関、廊下などの床の段差を解消する工事
(勝手口など屋外に面する出入口、上がりかまち、浴室の出入口などにあっては、段差を小さくする工事を含む)
〔引き戸への取替え工事〕
開き戸を引き戸、折り戸などに取り替える工事
開き戸のドアノブをレバーハンドルなどに取り替える工事
戸に戸車その他の戸の開閉を容易にする器具を設置する工事
〔床表面の滑り止め化〕
便所、浴室、脱衣室、居室、玄関、廊下などの床の材料を滑りにくいものに取り替える工事

〔適用の要件〕
  品確法に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関、または建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が発行する「バリアフリー改修工事等の証明書」を提出すること
  工事をした居住用家屋を、平成19年4月1日から平成25年12月31日までの間に居住の用に供すること
    〔追記〕 平成21年度の税制改正により、適用期限が5年間延長されました。
  その他の要件は、現行の住宅ローン控除(増改築)の場合と同じ

なお、住宅ローン控除の適用期間については、前ページで説明したように10年間または15年間のいずれかを選択することになります。


バリアフリー改修工事による住宅ローン控除の特例の創設

【住宅のバリアフリー改修促進税制】

上記の「住宅ローン控除の適用対象の拡大」によるバリアフリー改修工事では、あくまでも現行の住宅ローン控除と同じく、「10年以上の償還期間のローン」「100万円超の工事費用」などが要件となります。そこで、今回の改正では「5年以上の償還期間のローン」や「30万円超のバリアフリー改修工事費用」などを要件とする特例が創設されました。

さらに、バリアフリー改修工事費用(補助金などが充てられる分を除く)に相当する住宅ローン(リフォームローン)の年末残高(200万円が限度)については、現行の住宅ローン控除よりも控除率が引き上げられます。

ただし、控除の対象となる住宅ローン(リフォームローン)の年末残高は、他の増改築費用を含めて1,000万円が限度となるほか、控除期間は5年間、最高控除額は60万円となっています。この特例と現行の住宅ローン控除の両方の要件を満たしていれば、いずれか有利なほうを選択することができます。
〔適用対象者の要件〕
  50歳以上の者
  介護保険法の要介護または要支援認定を受けている者
  障がい者
  居住者の親族のうち、上記の要介護者、要支援者、障がい者、65歳以上の者のいずれかと同居している者

〔適用の要件〕
  補助金などを除く自己負担額が30万円を超えるバリアフリー改修工事であること
  償還期間が5年以上の住宅ローン(リフォームローン)の残高、または死亡時一括償還による借入金を有すること
  品確法に基づく登録住宅性能評価機関、建築基準法に基づく指定確認検査機関、または建築士法に基づく建築士事務所に所属する建築士が発行する「バリアフリー改修工事等の証明書」を提出すること
  工事をした居住用家屋を、平成19年4月1日から平成25年12月31日までの間に居住の用に供すること
    〔追記〕 平成21年度の税制改正により、適用期限が5年間延長されました。
  対象となる工事は、前記の「一定のバリアフリー改修工事」と同じ
  その他の要件は、現行の住宅ローン控除(増改築)の場合と同じ



住宅のバリアフリー改修に係る固定資産税の特例措置の創設

高齢者や障がい者など一定の者が居住する既存住宅で、一定のバリアフリー改修工事を行なった場合、翌年度分の固定資産税(家屋のみ)が3分の1減額(100平方メートル相当分が限度)されます。この特例だけでは、バリアフリー改修工事を「促進」する効果があるとも思えませんが…。

〔居住者の要件〕
  65歳以上の者
  要介護認定または要支援認定を受けた者
  障がい者

〔適用の要件〕
  補助金などを除く自己負担額が30万円以上であること
  平成19年4月1日から平成24年3月31日までに行なわれる工事であること
    〔追記〕 平成22年度の税制改正により、適用期限が2年間延長されました。
  上記の一定の者が居住し、平成19年1月1日以前から存していた家屋(賃貸住宅を除く)
  対象となる工事は、前記の「一定のバリアフリー改修工事」と同じ

なお、この減額措置の適用には、改修工事後3か月以内に工事明細書、写真などの関係書類を添付のうえ、納税者から市町村へ申告をすることが必要です。


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