建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

『犬と住む家』ついに発行! 建築家が考えた犬と楽しむ住空間(2ページ目)

2002年の年末から企画をスタートしたムック『犬と住む家』(Gakken刊)がいよいよ発売になります。建築家たちが犬との共生を考えてつくった家の数々をレポートしています。書店でぜひ!

執筆者:坂本 徹也

シリーズ企画----誌上設計コンペ
「ミニチュアダックスフンドと住む家」

大ブームのミニチュアダックスフンドですが、じつは長い時間ひとりぽっちにさせると分離不安になったり、無駄吠えをするようになる犬種。また、無理な昇降運動を繰り返すと椎間板の病気になりやすい犬種でもあります。ここでは、そんなミニチュアダックスと暮らすという前提で、3人の建築家に理想の家を競作してもらいました。

その条件はつぎのとおり。


建て主:夫婦(夫37歳、妻35歳)+ミニチュア・ダックスフンド
予 算:総工費2700~3000万円
場 所:大都市の郊外にあるベッドタウン
要 望・犬仲間の集まれる家にしたい
・犬を洗いやすいゆったりとしたお風呂
・自然環境を取り込んだ風の通る家
・犬関連のグッズ、おもちゃなどが多くある
・夫婦は家で仕事をすることもある

参加してくれたのは、建築倶楽部の前田敦+木許裕康さんのコンビ、S.O.Y.建築環境研究所の山中祐一郎+尾澤ミユキさんのコンビ、そしておなじみの遠藤建築研究所の遠藤克彦さんの3組。いずれも思いっきりユニークな作品をプレゼンテーションしてくれました。

プラン1
最初の前田敦+木許裕康組のプランは、中庭をはさんで2つの棟が向かい合って建つ家。それをゆるやかなスロープがつないでいきます。階段はいっさいなし。もちろんダックスフンドがとことこ歩きながら飼い主と一緒にどこにでも行けるようにとの配慮です。ちなみに前田さんたちの建築倶楽部では、犬と住まうというテーマの情報提供サイトを運営されています。
建築倶楽部

プラン2
続いての山中祐一郎+尾澤ミユキ組のプランは、細長いRC造の生活棟にオタマジャクシのようなドームをくっつけたユニークな形。オタマジャクシの中は、まるで穴蔵のような大リビングですが、これはダックスフンドが穴熊狩りのためにつくられた犬ということにイメージを得たとか。リビングから生活棟の寝室に上がる階段は、蹴上げがダックスの体高の半分以下にしてあります。

プラン3
最後が遠藤克彦さんのプラン。こちらは「デッキテラスの中に浮かぶ家」といえそう。敷地全体に壁を立てて完全なプライバシー空間を確保し、その壁に沿ってぐるりとスロープをめぐらせ、それが四方をテラスで囲った2階の大リビングへと続くという家です。2階にはLDKに加えて、ガラス張りのスタディルーム、バスルームなどがあり、そのいずれからもデッキに出ることができます。ダックスフンドが背中に負担をかけずにどこにでも自由に行けるプランです。

 

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