建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

これぞデザイナーズマンション11 フリー設計のP’s FLA(2ページ目)

荘司毅さんが設計したあざみ野の「P's FLAT AZAMINO」を見学しました。分譲型のマンションなのですが、インフィル(躯体以外の内部)はすべて設計変更可能という新しいタイプの集合住宅です。

執筆者:坂本 徹也



続いて北側の部屋。
さきほどの2部屋の上の斜面に位置します。
こちらはスキップフロアを使った4層の連続空間によって構成されています。おっと、エントランス脇には広めの収納スペースがありますから正しくは5層というべきでしょうか。



階段を上がって生活スペースに入ると、まず南向きのキッチン+ダイニング、そこから数段上がる形でリビングがあります。こちらは横の長さと段差を生かして広さを演出してい ます。スキップして空間を上下するたびに生活機能が変化するというおもしろみがありますね。



さらに上がると多目的な「踊り場」があり、さらにその上がバスルームと寝室が背中合わせになった最上階になっていました。踊り場は子ども部屋としても、客間としても使えるフリーなスペースなのでしょう。ゼイタク!





最後はほかとは違いL字に折れ曲がった部屋。
しかし東西の長さは確保されており、どのフロアも南に目線がいくよう配置されているためむしろより広く感じられます。驚くのは東西の長さを生かした1階のキッチンから1.5階のリビング+ダイニングへといたる階段部の幅広さ。まるで舞台装置のような印象がありますね。



マンションの中にこうした大きな仕掛けを見るのは久しぶり!階段がたんに昇降の手段けでなく空間として生かされている好例といえるでしょう。

 


そしてもうひとつの「隠し玉」が2階から梯子で登るロフト。物置と聞きましたが、それにしては窓にフロストガラスを使うなど生活空間としての表情もあり、ちょっとしたDENとして使えそうな気もします。こういう快適な狭さのスペースで読書にふけるのも悪くないなあ。



そして最上階はガラスブロックの壁で仕切られた明るいバスルームを持つ寝室となっていました。



一戸一戸、セミオーダー形式によりデザインしていったという荘司毅さんの「P'sFLAT AZAMINO」(事業主はライビックス)。自由設計とは名ばかりだと思っていた分譲マンションにも、こうした建築家のワザを十二分に生かした物件がそろそろ登場してきたようです。

設計監理:荘司毅/荘司建築設計室:http://www.t-shoji.net
施工    :株式会社三木組
事業主   :株式会社ライビックス
P's FLATプロジェクト第2弾進行中:http://livix.co.jp/

構造    :RC壁構造 地下1階地上4階建て
外部仕上げ :コンクリート打放し
内部仕上げ :床=無垢フローリング(オーストラリア産ヒノキ)
壁天井=コンクリート打放し
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