乳児育児/はいはい・つかまり立ち期

生後11ヶ月の赤ちゃんの成長と生活・育児のポイント

生後11ヵ月の赤ちゃんの成長と生活・育児のポイントを説明します。生後11ヵ月になると、一人で立てる赤ちゃんもでてきます。言葉の理解も進み、また自己主張も激しくなります。運動や知能などの個人差は大きいので、周りと比べず、成長を見守りましょう。

高祖 常子

執筆者:高祖 常子

子育てガイド

生後11ヶ月の赤ちゃんの成長と生活・育児のポイントは?

生後11ヵ月の赤ちゃん

生後11ヵ月の赤ちゃん

■生後11ヶ月の赤ちゃん・目次■  

【ひとり立ち】つかまり立ちから両手を離せたり、早いと歩く子も

12か月までひとり立ちできる赤ちゃんは全体の半分ほど。個人差が大きいので焦らなくて大丈夫です

12か月までひとり立ちできる赤ちゃんは全体の半分ほど。個人差が大きいので焦らなくて大丈夫です

足腰がだいぶしっかりしてきて、はいはいのスピードはピークに達します。はいはいのまま、何かをまたいだり、椅子の上にあがったり下りたりもできます。家の中に階段がある場合は、のぼってしまうと危ないので近づけないように対策を。

伝い歩きも上達して、押し車を押して歩くこともできるようになるでしょう。つかまり立ちから両手を離して、少しの間だけ、体をグラグラさせながら自力で立つ子もいます。早い子では、すでにひとり歩きを始めている子もいるでしょう。

12ヶ月までにひとり立ちできる赤ちゃんは、全体の半分くらいだといわれています。あんよまでは個人差が大きいので、他の発達が順調なら遅くても心配ありません。
 

【離乳食】食事リズムが安定したら、栄養バランスも考えて

朝は決まった時間に起きて朝食、午前中に遊んで昼食を食べてお昼寝、というように、生活のリズムも一定になり、離乳食を3回しっかり食べられる子が増えてきます。消化や吸収機能も発達してくるので、いろいろな食材をメニューに取り入れていきましょう。

必要な栄養のほとんどを離乳食からとれるようになるので、バランスも意識して。1回の食事に、ご飯・パン・麺類などの「糖質」、肉・魚・卵の「タンパク質」、野菜などの「ビタミン」が、含まれるように心がけましょう。

食後のフォローアップミルクや牛乳を飲まないことがあっても大丈夫。飲ませることよりも、少しずつ哺乳瓶以外で飲む練習をはじめましょう。ストローはおっぱいや哺乳瓶の吸い方とは違うので、慣れるのに時間がかかる子もいます。ストローが難しければ、先にコップの練習をはじめてもいいでしょう。
 

【音楽】踊るように体を動かしたり、楽しそうに声をあげます

テレビやオーディオなどから音楽が聞こえると、ノリノリな反応を見せます

テレビやオーディオなどから音楽が聞こえると、ノリノリな反応を見せます

周りの音にますます興味を示し、音楽には特別の反応を見せる子が増えてきます。アップテンポの音楽が聞こえてくると、お尻をふって踊るように体を動かす子や、テレビやオーディオから歌が聞こえると楽しそうに声をあげる子も。

ママやパパも一緒に踊ったり歌ったりしてあげると、とてもうれしそうで、ますますノリノリになることでしょう。遊びのときに、赤ちゃん用のCDや、お気に入りの音楽を流しておくのもおすすめです。テレビの幼児番組やコマーシャルも興味深く見るようになりますが、つけっぱなしで子守代わりにするのはやめましょう。
 

【絵本】お話しながら楽しく読んであげましょう

知っているものの絵を見つけると、指をさしたり、「ああー」「だー」と声を出したりします

知っているものの絵を見つけると、指をさしたり、「ああー」「だー」と声を出したりします

絵本に興味を持つ子もでてきます。知っているものの絵を見つけると、指をさしたり、「ああー」「だー」と声を出したりします。絵本のおはなしはまだ分からないので、絵を見ながら「あひるさんがいっぱいだね」「くまさんが出てきたよ」などとお話ししながら楽しく読んであげましょう。
 

【言語】言葉の理解が進み、意味のある言葉が出る子も

お誕生日前後になってくると、「パパ」「ママ」「ワンワン」「ブーブ」といった意味のある言葉が出る子も増えてきます。人やものの名前を少しずつ覚えてきたのです。

まだ言葉にならない子でも、たとえば「パパはどこ?」とたずねると、パパがいる方向を向いたり、指をさしたりします。ものの名前がわかってきた証拠です。

「ごはんですよ」と言うと食卓に近づいてきたり、「公園に行くよ」というと玄関まで行ったり、「お茶飲む?」と聞くと手を出したりもするようになります。手を出して「ちょうだい」というと、持っているおもちゃを渡すこともできるように。

意味を理解してのやり取りができたら、たくさんほめてあげましょう。ほめられていることがわかり、うれしそうにします。
 

【自我】自己主張が強くなり大変ですが、心の成長の証でも

嫌なことは絶対に嫌!と、全身を使って訴えることも

嫌なことは絶対に嫌!と、全身を使って訴えることも

わかることが多くなる一方で、自己表現が激しくなってきます。遊びを中断させたり、好きなおもちゃを取りあげたりすると、大声で泣き出したり、のけぞって暴れたり、全身を使って「イヤだ」と訴えます。イヤなことは絶対にイヤ、嫌いなものを食べさせようとすると必死に抵抗してきます。

赤ちゃんは、要求がうまく伝えられなくて、ママに分かってもらえないのがつらいのです。ついカッとなってしまうのもわかりますが、これも、心が成長している証。頭ごなしに怒鳴っても、「ペチッ!」と体を叩いても、状況を悪化させるだけ。特に体罰は子どもの心を傷つけることもあります。

「もっと遊んでいたかったんだね」と赤ちゃんの気持ちを認めてあげながら、「でも、もうご飯だからね」と理由を説明したり、「あ、これは何かな」などとさりげなく気分を切り替えてあげるとよいでしょう。
 

【成長】個人差に一喜一憂せず、赤ちゃんの個性を見守ろう

おすわりができるくらいから、発達の個人差はさらに大きくなります。自分で立ったり、意味のある言葉が出てきたり、離乳食も完了に近づいてくるなど変化の激しい時期なので、ついよその子と比べてしまいがち。体や心の発達を診る1歳児健診が、よその子との比較のきっかけになってしまうこともあるようです。

赤ちゃんはみんなそれぞれに個性があって、おしゃべりは早いのにまだつかまり立ちができない子や、ひとり歩きはするけれど音楽には興味を示さない子もいます。遅れ気味の子は、慎重で臆病な性格なのかもしれません。このころの成長の違いは、赤ちゃん一人ひとりの性格からきているとも考えられます。

小さな差で一喜一憂するのではなく、目の前の赤ちゃんの個性を認めて、成長する力を信じて見守りましょう。それでも不安なことは、ひとりで悩まずに、医者にどんどん相談しましょう。  
 

月齢別・赤ちゃんの成長と生活・育児のポイント

※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※乳幼児の発育には個人差があります。記事内容は全ての乳幼児への有効性を保証するものではありません。気になる徴候が見られる場合は、自己判断せず、必ず医療機関に相談してください。

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