大窓が機械音とともに消えていく
手塚貴晴+由比さんの手塚建築研究所が横浜に建てた「大窓の家」のオープンハウスに行ってきました。横浜駅から徒歩20分、少し遠いですが、なんたって横浜ですからどこに行くにも至便な場所と言えます。しかもその真ん前は広々とした児童公園。得がたいロケーションと言えそうです。
単純にして明快。建築をむずかしく考えず、いや突き詰めて考え抜いた結果、こんな形もあるのではという結論にたどり着いた住宅ということなのでしょう。
枝葉をそぎ落とした究極の間取り
シンプルさが美しい
しかしながらよく考えてみると、他に必要なものって何なんだろう?子ども部屋(子どもがいなければ意味はない)、予備室(お客を泊めることを前提としなければよい)、和室(あっても使わないことが多い)、書斎(リビングが書斎を兼ねればよい)----となると、これだけでも都市生活者のシンプルライフは十分成り立つということになります。
公園の風景を独り占め
1階は、玄関から突き当たって階段室と、寝室への廊下へと分かれます。この廊下の途中にバスルームがあり、その奥が寝室になっています。ここには数少ない収納と呼べるものがありますが、他には何もなく、ただの空間が広がっています。
2階は、南の公園に面した大窓と北側に設えられたキッチンがあるだけで、他にはそっけないぐらい何もありません。キッチンの後ろには食器等の収納があり、西側の壁には棚が付けられていますが、まるでどこかのギャラリーか画家のアトリエにでも来たような感覚になります。
■設 計:手塚建築研究所/手塚貴晴+手塚由比
担当/鍋島千恵、上條大輔
http://www.tezuka-arch.com/japanese/
池田昌弘建築研究所/池田昌弘
担当/大野博史、鈴木崇、角館政英
光環境計画/角館政英
担当/内藤真理子
http://www.bonbori.com/j_t.htm
■施 工:イソダ 担当/磯田武夫、兼田隆康
●構 造 :木造2階建て
●建築面積:47.80m2
●延床面積:93.99m2
手塚さんのその他の作品は↓
柱のない開放空間
手塚貴晴+由比のメガホンハウス