建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

手塚貴晴+由比さんの意欲作を見た 柱のない開放空間

葉山にある「SYUNA & BANI」は犬グッズのお店兼住居。手塚貴晴+手塚由比さんが設計したこの店舗兼住宅は、何が意欲的かって柱が1本もないことでした。

執筆者:坂本 徹也

手塚貴晴+由比さんの意欲作
「SYUNA&BANI」葉山店に行ってきた!



葉山のご用邸からクルマでものの3分、森戸海岸沿いにその店は ありました。「SYUNA&BANI」というその犬グッズ専門店は、犬のリードや首輪のほか いろいろな雑貨小物類を売っていて、小さなカフェコーナーもあります。
最初にお店の正面が目に入ると、誰もが「おや?」と思うに違いありません。 お店の中が妙にすっきりと開放的に見えるからです。 全面ガラス張りということもありますが、それだけではない。
じつはこの家、柱が1本もないのですね。

開口部はみんな木製のサッシになっているし、外壁にはヒバの木が使われているため、 一見木造なのかなと思ってしまいますが、ここは鉄骨造です。スチールで強度を 持たせ、柱を使わずに構造壁で家を支えているというわけです。
家は3階建て。1階が店舗、2階以上が住居空間になっていて、2階はLDK、 3階が寝室とバスルーム。バスルームにはトップライトがついていて、 湘南の陽光が差し込んでくる快適な空間になっているそうです。
柱をなくしたことの最大の収穫はやはりその視界の広さでしょう。
ふつうは必ずそこにあるコーナーの柱がなく、ガラスとガラスとが90度に接しています。 つまり部屋の真ん中に立てば、ほぼ270度の視界が得られるということですね。
まるで広いテラスの中に住んでいるとでもいいましょうか、そんな開放感があります。 ちょっとまわりからの視線が気になりますが、建て主の奥さんによれば 「ここまで外に開いていると、逆に外の人の方が気を遣ってしまわれるようですね」 とのこと。もちろんふだんはプライベート空間にはロールカーテンが降りています。

 
あと特筆すべきは、この家には犬の足洗い場を別棟で備えていること。
ここはお店にやってきた犬連れのお客さんが、ショッピングやお茶を楽しんだついでに 海岸まで行って遊び、汚れた足を洗うことができるようにとの配慮だそうです。
もちろん建て主さんも、自分の愛犬のシュナちゃんとハンナちゃんをここで洗うとのこと。

こんな専用室がしっかりあるのは、愛犬家にとってはうれしいかぎり。設計をした 手塚さんたちには、そうとう違和感があった別棟のようですが、いやいやどうして、 愛犬家にとってはこんなに便利なスペースはないんじゃないでしょうか。

手塚建築研究所:http://www.tezuka-arch.com/

SYUNA & BANI 葉山:http://www.SYUNA-BANI.com
 神奈川県三浦郡葉山町堀内939-11
 tel & fax 0468-77-5477
 11:00~19:00 火曜定休
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。

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