建築家・設計事務所/建築家住宅の実例

ゼロワンオフィスの新コーポラティブハウス 弦巻の「T-Tre(2ページ目)

世田谷区弦巻の住宅街にできたゼロワンオフィスのコーポラティブハウス「T-Treppe」を見学しました。敷地内につくられた小径を通って、各戸の専用階段・アルコーブに入る仕掛けの長屋スタイル集合住宅です。

執筆者:坂本 徹也

商業空間のようなテイストを取り入れる

続いては、入ってすぐにダイニング+キッチンのある住居。どこかの魚の美味しい隠れ家レストランにでも来た趣きがあります。暗めの照明、宙に浮いたコンクリートの壁、お店にあるような調理台を見ても、その意識はアリアリですね。ここはこじゃれたレストラン風なのですが、らせん階段を使って地下に降りると、そこにはまったくの異空間が広がっています。

左手のコンクリートの壁は“見せ壁”、宙に浮いている

テーブルをいくつか並べればすぐに“営業”できそう

地下は広場のようなリビングになっていて、ファッションビルにあるような薄い間仕切りで、寝室、バスルームが区分けされています。床に使われている素材も、リビングはコンクリートそのまま、寝室はフローリングになっていて、内なる外、内なる内を使い分ける演出になっています。好きなインテリアを自由に合体させてつくった空間という印象。こうした楽しい試みも「創作住居」ならではのものでしょう。

お洒落なブランドショップを思わせるリビングと寝室との壁

寝室からリビングを通してガラスのバスルームを見る

同じ間取りが劇的に変わる魔術

まったく同じ空間構成なのにテイストがまるで違うのがこちら! 玄関に続く1階にはさきほどとは逆に開放的な寝室をつくりました。プライベートな空間なのですが、あえて閉じてしまわず、階段室に視線が通る形になっています。

やわらかく、あたたかみを感じさせる開放的な寝室

そして驚きなのは、真っ白なタイルを敷き詰めた地下。あえて人工的な照明のみを頼りとした、無機質な空間を演出しています。上階の寝室が“暖”なら、地下は“冷”といってもいいほどの白い部屋。キューブリックの『2001年 宇宙の旅』のラスト近くに出てくる未来空間を思い出してしまいました。ここで住み手の方は、どんな生活を営まれるのでしょうか? ぜひ一度、覗かせていただきたいものです。

硬質で超クリーンなイメージの地下リビング

キッチンからはこう見える、壁は巨大なスクリーンか?

株式会社 ゼロワンオフィス一級建築士事務所
 〒152-0035 東京都目黒区自由が丘 2-16-9 J-alley B
 TEL:03-5731-2644 Fax:03-5731-2645

ゼロワンオフィスのコーポラティブハウス作品一覧↓
「J-alley」Part1
「J-alley」Part2
「J-patio」Part1
「J-patio」Part2

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