商業空間のようなテイストを取り入れる
続いては、入ってすぐにダイニング+キッチンのある住居。どこかの魚の美味しい隠れ家レストランにでも来た趣きがあります。暗めの照明、宙に浮いたコンクリートの壁、お店にあるような調理台を見ても、その意識はアリアリですね。ここはこじゃれたレストラン風なのですが、らせん階段を使って地下に降りると、そこにはまったくの異空間が広がっています。
地下は広場のようなリビングになっていて、ファッションビルにあるような薄い間仕切りで、寝室、バスルームが区分けされています。床に使われている素材も、リビングはコンクリートそのまま、寝室はフローリングになっていて、内なる外、内なる内を使い分ける演出になっています。好きなインテリアを自由に合体させてつくった空間という印象。こうした楽しい試みも「創作住居」ならではのものでしょう。
同じ間取りが劇的に変わる魔術
まったく同じ空間構成なのにテイストがまるで違うのがこちら! 玄関に続く1階にはさきほどとは逆に開放的な寝室をつくりました。プライベートな空間なのですが、あえて閉じてしまわず、階段室に視線が通る形になっています。
そして驚きなのは、真っ白なタイルを敷き詰めた地下。あえて人工的な照明のみを頼りとした、無機質な空間を演出しています。上階の寝室が“暖”なら、地下は“冷”といってもいいほどの白い部屋。キューブリックの『2001年 宇宙の旅』のラスト近くに出てくる未来空間を思い出してしまいました。ここで住み手の方は、どんな生活を営まれるのでしょうか? ぜひ一度、覗かせていただきたいものです。
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