自然を取り入れながら最先端の暮らし
つぎに、逆に広がっていくタイプの部屋を見ますと、こちらはさきほどの部屋とはレイアウトが逆。玄関側にキッチンがあり、開口部側にスペースを取る水回りを持ってきています。つまりアクリル板で仕切られたパウダールームが窓に面してあるということ。パウダールームに人が立ち、それがシルエットになって写る様は、なかなかムーディーですねー(外からの視線がちょっとしたスリル)。キッチンは玄関と壁で仕切られ、さきほどの部屋のような開放感はありませんが、機能的で使いやすそうです。
いずれにしても、この真っ白な清浄感と光が織りなすソフィスティケートされた空間は、自由が丘という地に住まうことの満足を十二分に味あわせてくれるでしょう。しかも植木さんのうまいところは、開口部が切り取る近隣の風景にこだわったところ。どの部屋からも、しっかり近隣の庭木のグリーンが垣間見えるように設計してあります。チラと緑が見えるだけでも、このモダンな室内に一気に清涼な空気感が流れ込んできます。
まわりに残された自然をうまく取り入れながら、都心で最先端の暮らし。しかも、部屋はストレスを生みにくい変化に富んだ空間。「Y's Jiyugaoka」は、都心型のデザイナーズマンションにひとつの方向性を提示したように思います。
■設計監理:植木健一/nSTUDIO
●構 造 :2階建て鉄骨造
●敷地面積:252.81m2
●建築面積:134.23m2
●延床面積:243.91m2