ガレージを思わせるコンパクトな“箱” ゼロワンオフィスが建てた渋谷区西原の緑道沿いのコーポラティブハウスのレポート、第2弾は約70m2のE住戸からです。 ここは室外ではなく室内! 外装材や配管がむき出しに… こちらは、とってもチャレンジングな住空間といってもいいでしょう。一歩室内に足を踏み入れた瞬間から、あれ?異次元の世界に紛れ込んだのかな、と思わせるような驚きがあります。異次元は言い過ぎかもしれませんが、まるでパリかどこかの古いアパルトマンに迷い込んだかのよう…。 配管がむき出しになった階段室の印象が、機械的なエレベーターを何も覆わずに使うパリのアパルトマンを思わせるのでしょうか。煉瓦を模した階段室の壁も、どこか遠い国の印象を意識しているようです。 古い塔を昇っていく感じ階段途中(中2階)にある書斎 硬質なアイアンのらせん階段を上っていくと、最初に中2階のようなガラスの小部屋が…。ここは書斎とのことですが、はてなんでこんなところに?と戸惑ってしまいます。ご夫婦で住まわれるとのことですが、将来的なことを考えて子ども部屋としても使える予備室を取っておこうという意図でしょうか。もちろん個室ですから、客室としても十分機能しそうですね。 階段を上りきると間仕切りのない寝室が… 3階に上がると、そこにはまたまたアッと思わせる空間が広がっていました。階段室の後ろ側には、可動の間仕切り壁でフルオープンにできる空間があり、ここがどうやら寝室らしいのですが、ここから一直線に伸びた廊下が奥まったLDKまで繋がっていて、この廊下に鉄道のコンテナか簡易ガレージを思わせるコンパクトな“箱”が置かれている。この箱の中にバス・トイレなどの水回りが隠されているということですね。 室内に置かれたコンテナの中には水回り これはちょっと驚き! 住まい手が強く「こうしよう」と思わなければ、絶対こんな住空間は生まれません。その遊び心というかチャレンジ精神には脱帽です。これは自由設計のコーポラティブハウスでなければ望んでも実現できませんよね。室内にあえて外装材を使った階段は、ここに至るまでのプロローグだったということでしょう。 コンテナの上にはロフトお昼寝にいいかも… しかしながら、このコンテナ風の内部はなかなか快適。室内の室内という容れ子構造なだけに、しっかり守られている安堵感があります。もちろん一歩出れば、外にはパティオに面した大開口部があり、十二分な外光が入ってきます。 いっとう奥まった場所にあるキッチンは、そこだけピカピカのステンレス仕様の特注品。デザインすることの楽しさと生活機能性を同調させたユニークな住まいになっていました。 使いやすそうなピカピカの特注キッチン -->>続いてF住戸を紹介します!1234次のページへ