地雷より非人道的な兵器、クラスター爆弾
不発弾として地上に残ったクラスター爆弾(撮影:JOHN RODSTEAD/©JCBL)
2010年2月16日、クラスター爆弾禁止条約(オスロ条約)の批准国が30カ国に達したことで、2010年8月1日の発効が決まりました。バンクーバーオリンピックの影でそれほど大きなニュースにはなりませんでしたが、現役の無差別兵器の廃絶に向け、国際社会が本気で動き出したことを意味する画期的なニュースでした。そして、今後、様々な場面で耳にすることになるはずです。
クラスター爆弾とは、空中で大きな入れ物(コンテナー)を爆発させ、中に入っている小さな爆弾をばらまき、地上で爆発させるという仕組みの兵器です。かつては親子爆弾などともよばれ、ベトナム戦争やイラク戦争、アフガニスタン戦争などで使われてきました。
クラスター(cluster)がブドウの房などの意味を持つように、クラスター爆弾は、1つ1つの爆弾がばらまかれ、地上で爆発させることが目的です。標的が広範囲に渡り、その範囲はサッカー場の何面分にもあたるといいます。そこにいる人は、戦闘に関係のない一般の市民や子どもであっても殺傷してしまう無差別兵器なのです。被害者の98%は一般市民だともいわれます。
しかも、柔らかい土の上などに落ちた場合は、不発弾として地上に残ってしまいます。畑などに落ちれば仕事はできなくなりますし、子どもたちの遊び場も奪われてしまいます。ちょっとした振動でも爆発してしまうので撤去するのも大変です。さらに、この不発弾が小さくて様々な色や形をしているため、子どもたちが好奇心で近づき、犠牲になることもあります。
広範囲を攻撃し、さらに、不発弾による被害も絶えず、二重三重に被害を及ぼすことから、クラスター爆弾は、地雷よりも非人道的であるといわれるのです。