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女性こそ自分ブランドを(2ページ目)

女性の多くは結婚、出産、子育てと、生活の変化に自分のキャリアが影響されやすいため、女性こそ自分ブランドがあると強いと言えます。

午堂 登紀雄

執筆者:午堂 登紀雄

ニューリッチへの道ガイド

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女性は環境の変化に応じてブランドを創り変える

「結局女性は若さと美しさなのよ」とそれらを追い求めるのもいいですが、環境の変化に応じてブランドを創ることは、年齢とともにより輝きを増すことにつながります。

男性がほとんど会社員という一つの役割しか果たさないのに対し、女性は、妻、母親などいろいろな役割を担います。それによって多様な価値観を持て、視野も洞察力も広がることもまた事実です。職業能力が失われるわけではないですし、焦る必要はありません。

私の知人の女性は、以前こういうことを言っていました。

「女性は、結婚、出産、育児という転機があるよね。でもそれぞれの場面でそれぞれの役割が求められ、未熟であってもそうした役割をこなすうちに、仕事中心の男性よりも幅広い価値観やものの見方を身につけることができると思うのよ。

仕事で重要な時期にキャリアを中断せざるを得ない場合もあるし、再就職では苦労する場合も確かにあるわ。こんなマイナスの側面に躊躇してしまい出産に踏み込めないと考える人もいるみたい。だけど、それは誰かに雇われて生きるという限定された働き方を選んだ場合のことであって、視点を変えればキャリア形成の障害ではないと思うの。

むしろ子育てを通じ、仕事を通して以上に高い視座を得ることができるから、長期的に考えればプラスじゃないかしら。少なくとも私は結婚・出産・子育てを通じて、貴重な経験ができたし、すごく柔軟なものの見方ができるようになったわ。私は生まれ変わっても女でいたいと思ってる。」
そう言って彼女は、OL・主婦・出産によるキャリア中断・再就職という自分の経験をブランドにして、主婦層をターゲットとしたマーケティングリサーチ会社を起こしました。


有名企業に見るブランドの価値の維持と進化

しかし、ブランドは一度つくればそれでいいというわけではありません。
一時期繁栄を極めても、一気に凋落するブランドがある一方で、いぶし銀のような輝きを保ち続けているブランドなど、世の中には学ぶべき材料や事例にあふれています。

ポルシェは近年、燃費や内装の質感向上に力を入れています。以前なら内装よりも走りに重点を置いていれば、オーディオやナビはついていなくても問題はありませんでした。燃費が悪くても「外車はこんなもの。スポーツカーに燃費を求めちゃいけないね」という感じでした。

しかし、今はオーディオやナビを始めとした快適性も追求しなければ受け入れられなくなりました。環境意識の高まりとともに、燃費も良くなければ企業そのものの信頼性が揺らぐようになりました。顧客の意識や競合他社、マーケットの変化とともに、顧客満足度のウエイトも変化しているのです。

そこでポルシェは、核となる走りの部分はさらに煮詰めながら、マーケットの嗜好に合わせて変化させているというわけです。

一つとして全く不変のブランドはありません。それらを見ても、時代が変われば求められる能力も変化するということが言えます。もちろん、だからといってあなたのブランドをコロコロ変えろと言うわけではありません。

既に述べたとおり、一貫性の欠如は信用の失墜を招きます。ポルシェが「高級スポーツカー」という看板を下ろしたことは一度もありません。

ブランド価値を維持し向上できるのは、変化させることではなく進化させることです。ユニクロも低価格と品質で一世を風靡していましたが、やはりデザインも良くなければならない、ということに気づいて、デザイン部門を立ち上げたり有名デザイナーを取り込んだり、デザイン性を追求しています。

つまり、マーケットが変化するならば、自分の存在意義を構成する分野は変えることはなく、変えるべきところは変える、という柔軟な姿勢が必要だということです。ブランドは守るべき伝統と、新たな価値を加えて進化させるべきものがあるのです。
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