ANAをはじめ16社が日本へ就航
ANAのほかにも日本路線をもつメンバーが多く、合計16社が日本へ定期便を運航しています(他社機材でのコードシェア便は除く)。そのなかから、日本人旅行者にもなじみの深いいくつかの加盟会社のプロフィールを紹介しましょう。創設メンバーであり、ルフトハンザ ドイツ航空などとともに「スターアライアンス」を率いてきたのが、米国を代表する1社のユナイテッド航空(UA)。日本と米国本土、ハワイを結ぶ路線に加えて、アジアの4都市へも成田から毎日直行便を運航しています。日本路線のすべての便に、ファーストクラスを含む3クラス制を導入していることも特徴です。また、マイレージプログラム「マイレージ・プラス」は、外資系の航空会社のプログラムの中ではトップクラスの人気を得ています。
シンガポール航空のA380の「スイート」は、“空飛ぶベッドルーム”のよう。
航空ファンなどから「TG(ティージー)」の2レターコードでも呼ばれるのが、バンコクが拠点のタイ国際航空。同社は10年、日本就航50周年を迎えました。日本4都市からのバンコク線に加えて、成田からはプーケット直行便を週2便運航。アジアを代表するビーチリゾートへ約7時間でアクセスできます。搭乗の際、タイの民族衣装を着た女性クルーが、ワイ(合掌)のポーズで迎えてくれるのも同社ならではのサービスです。
ヨーロッパを代表する1社であるルフトハンザ ドイツ航空。フランクフルトとミュンヘンを拠点に、世界の200都市以上に路線を持ちます。日本路線は便数が多く、成田・関西・中部とドイツの間に週26便を運航。これは、日本とヨーロッパを結ぶ外資系航空会社の中で最大級の便数です。日本からヨーロッパ各地への乗り継ぎに同社を利用する人は多く、東欧やウクライナ・カザフスタンなどのCIS諸国への乗り継ぎにもよく使われます。運航の定時性、環境問題などのテーマにも熱心に取り組んでいます。
注目したい1社はトルコ航空。今春から日本路線が増便され、成田と関西発を合わせて週10便が、拠点のイスタンブールへ直行します。南欧やアフリカ、中央アジアなどへの乗り継ぎも便利です。トルコ航空は、輸送量でヨーロッパ第4位の大手航空会社。さらに今後、5年後をめどに、イスタンブール近郊に巨大なハブ(拠点)空港を新設、乗り継ぎ客を大幅に増やすことで、ヨーロッパ最大の航空会社を目指す計画です。
そして、1999年に日本で初めてワールドアライアンスのメンバーとなったのがANAです。国際線では、欧米や中国、アジアなどへの自社便に加えて、アライアンス加盟他社の機材とサービスによるコードシェア便(注2)の運航を積極的に行っています。例えばバンクーバーやトロントへはエア・カナダと、ウィーンへはオーストリア航空と、イスタンブールへはトルコ航空と、プーケットへはタイ国際航空と、そして成都へは中国国際航空とコードシェアする、といった具合です。北米や欧州内でも、コードシェアによりネットワークを大きく広げています。
成田では第1ターミナルに結集
日本における「スターアライアンス」の拠点となるのが、成田空港の第1ターミナルビルの南ウイングです。2006年に南ウイングがグランドオープンしたのを機に、成田空港のターミナル使用がアライアンス単位へと移行。「スターアライアンス」のメンバーが、文字通り“ひとつ屋根(ターミナル)の下”に結集し、施設やサービスを共有することで、利用者の利便性を高めています。成田のANAラウンジは、スターアライアンスの共同ラウンジとしても機能。