青森の観光・旅行/青森の観光スポット

青森津軽 太宰治の旅

2009年に生誕100年を迎え、再び話題となった太宰治。あらゆる作品の根底に深く関わっているのは、彼のふるさと青森の津軽です。津軽の地を旅し、太宰ゆかりのスポットをめぐりながら、太宰文学に思いを馳せてみてはいかがですか。

執筆者:井藤 雪香

太宰治と青森津軽

太宰治は、青森県北津軽郡金木村(現在の五所川原市)に、大地主で後に貴族院議員を務める父・津島源右衛門の六男として1909年に生まれました。16歳の頃から小説を書き始め、1933年に『魚服記』『思ひ出』を発表し注目されます。その後『富獄百景』『走れメロス』『津軽』『斜陽』など、名作を数多く執筆しますが、自伝的ともいえる『人間失格』を書いてまもない1948年に玉川上水に入水。この世を去ります。それから時は流れ、2009年に生誕100年を迎えました。原作の映画化が相次ぎ、生誕地である青森では数々のイベントが催され観光客が急増するなど、再び話題となりました。

太宰の生家「斜陽館」の前にはお土産スポットも。

太宰の生家「斜陽館」の向かいにはゆかりのグルメも楽しめるお土産スポット「マディニー」も。“太宰治の旅”はお楽しみどころ満載です

太宰のあらゆる作品の根底に深く関わっているのは、彼の故郷青森の津軽です。津軽の地を旅し、太宰ゆかりのスポットをめぐりながら、太宰文学に思いを馳せてみませんか。ここでは、太宰が上京するまでのゆかりの地や、小説『津軽』執筆のために太宰が旅したゆかりの地をエリアごとに集めました。なかでもおさえておきたいのは太宰の生家「斜陽館」です。ここは太宰ファンのメッカ。ここを訪れずして、太宰治は語れません。

 

太宰治の生誕地金木

太宰の生誕地であり幼少期を過ごしたのが金木(現在の五所川原市)です。ストーブ列車で有名な、ローカル線津軽鉄道の金木駅が太宰の生家の最寄駅。駅周辺はゆかりの地が点在する絶好の文学散歩コースです。
  
■太宰治記念館「斜陽館」 

あ

太宰誕生の部屋や、ふすまに書かれた“斜陽”の文字など、幼少期の太宰に出会えます

太宰の父である津島源右衛門が1907(明治40)年に完成させた、総ヒバ造りの太宰の生家。蔵を利用した展示室には、遺品や原稿、書簡などの貴重な資料が展示されています。

住所:青森県五所川原市金木町朝日山412-1
TEL:0173-53-2020
アクセス:津軽鉄道金木駅より徒歩約7分
営業時間:5月~10月/8:30~18:00、11月~4月/9:00~17:00
休館日:12月29日
入館料:一般500円

 

■太宰治疎開の家「旧津島家新座敷」 
あ

大正11年に生家の離れとして建築され、「新座敷」とよばれていました

終戦直前から翌年21年11月までの1年3ヶ月余り、太宰が妻子を連れて疎開した家。文壇登場後の太宰が暮らした、現存する唯一の建物です。『お伽草紙』など23作品がこの家で執筆されており、作家・太宰治を強く感じることができる場所です。

住所:青森県五所川原市金木町朝日山317-9
TEL:0173-52-3063
アクセス:津軽鉄道金木駅より徒歩約3分
営業時間:9:00~17:00
休館日:不定休
入館料:案内料500円

 

■芦野公園 
あ

文学碑中央の鉄格子は、「人間の道には狭いけわしい一つ一つの門がある」ということを意味しているそう

2200本の桜と1800本の松が湖畔に広がる自然公園。日本さくらの名所100選にも選ばれています。幼い太宰がよく遊んだ公園で、園内には「太宰治文学碑」があります。毎年6月19日には、この碑前で生誕祭が行われています。

住所:青森県五所川原市金木町84-171
アクセス:津軽鉄道芦野公園駅よりすぐ

 

■津軽鉄道芦野公園駅 旧駅舎 
あ

「駅舎」店内は、当時の窓口や古い電話機が置かれたレトロな雰囲気。金木名物「馬まん」(1日限定20個)をいただけます

津軽鉄道芦野公園駅旧駅舎は、1930年から1978年頃まで使われていました。太宰の代表作『津軽』にも、この駅にまつわるエピソードが出てきます。現在は喫茶店「駅舎」として多くのファンが訪れています。

住所:青森県五所川原市金木町芦野84-171
TEL:0173-52-3398
アクセス:津軽鉄道芦野公園駅よりすぐ
営業時間:10:30~16:30
定休日:12月29日

 

雲祥寺 
あ

「雲祥寺」本堂。400年の歴史がある、奥津軽最大規模の寺院です

太宰の子守をしていたタケの生家・近村家の菩提寺。『思ひ出』に登場する卒塔婆の鉄の金輪や、幼い太宰が怖がった十王曼荼羅(通称地獄絵)を見ることができます。

住所:青森県五所川原市金木町朝日山433
TEL:0173-53-2074
アクセス:津軽鉄道金木駅より徒歩約8分
入場料:境内自由

 

■南台寺 
あ

太宰の父と兄文治が眠っていて、太宰は墓参りに訪れています

太宰の生家・津島家の菩提寺。太宰の子守のタケがここで開かれていた日曜学校で本をかりてきて、幼少の太宰に熱心に読ませたというエピソードがあります。

住所:青森県五所川原市金木町朝日山493
TEL:0173-52-2661
アクセス:津軽鉄道金木駅より徒歩約10分
入場料:境内自由


 

生誕地で文学散歩

太宰の生誕地金木地区は、ゆかりの地が徒歩圏内に点在する絶好の文学散歩コース。以下のコースですと、見学時間も合わせて、徒歩約2時間でまわれます。

「津軽鉄道金木駅」
↓(徒歩5分)
「太宰治疎開の家」
↓(徒歩5分)
「雲祥寺」
↓(徒歩4分)
「南台寺」
↓(徒歩5分)
「斜陽館」

このコースを地元ガイドとめぐることもできます(1人2400円 ※申し込みは2人~)・入館料、保険料、税込み)。詳しくはNPO法人かなぎ元気倶楽部までお問い合わせください。
  • 1
  • 2
  • 次のページへ

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます