グローバル化が進む中、社会保障制度でもグローバル化が進められています

グローバル化が進む中、社会保障制度でもグローバル化が進められています

外務省の海外在留邦人数調査統計によると、海外に滞在する日本人の数は1,116,993人(平成20年10月1日現在)で、その数は毎年増えています。海外で暮らす日本人が増えているだけでなく、日本に在留する外国人の数も増加しており、国際的な人的交流は年々活発になっています。今回は、海外で生活をするときに年金制度を含めた社会保障制度の適用がどうなるのか、ご案内します。

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海外生活を送るときの年金制度

はじめに、海外で生活することになった場合の年金制度の加入の仕組みをみていきましょう。

海外で生活することになった場合、日本国内での国民年金の被保険者の種別によって海外在留中の仕組みが異なります。自営業者やフリーランスなどの第1号被保険者は、日本国内に居住していることが加入の要件なので、海外に居住することになると被保険者の資格を喪失します。日本の年金制度に加入し続けるには任意加入の手続きが必要です(海外在留中の任意加入の手続きは「あなたの理想の老後を送るは~海外生活編」をご覧ください)。会社員などの第2号被保険者と第2号被保険者の被扶養配偶者である第3号被保険者は、日本国内に居住していることが加入要件にならないので、海外に居住することになってもそのまま日本の年金制度に加入し続けることになります。

日本の年金制度は、国籍を問わず、日本国内に居住する20歳以上の人を加入対象としていますが、海外の年金制度も国籍を問わず国内に居住する人を加入対象としている国が多くみられます。このため、第2号被保険者や第3号被保険者は海外に居住する期間中、日本の年金制度と滞在する国の年金制度の両方に加入し、保険料を二重に負担することになります。また、日本の年金制度の受給資格期間のように、海外の年金制度も一定に加入期間がないと将来年金が受給できないので、海外の在留期間が短いと年金が支給されず、保険料が掛け捨てになる場合があります。

このような保険料の二重負担と掛け捨て防止を目的として、日本は平成12年から諸外国と社会保障協定の締結を進めています。現在までに締結された社会保障協定とその仕組みをみていきましょう。

社会保障協定の仕組みと現状

社会保障協定が締結されている国に滞在する場合、原則として滞在先の国の年金制度のみに加入しますが、滞在期間が5年以内の場合は日本の年金制度のみに加入します。
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また、協定の中でお互いの国の年金加入期間を通算する期間通算が締結されていると、日本と外国の制度の加入期間を相互に通算します。期間通算によりお互いの国での年金加入期間を合算して年金の受給資格を決定し、年金額はそれぞれの加入期間に応じた金額となります。
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この仕組みにより、保険料の二重負担と掛け捨てを防止することができます。平成12年、ドイツと社会保障協定を締結した後、現在までに10ヵ国と協定が締結されており、協定の内容も年金制度だけでなく、医療保険制度や労災保険制度まで締結されている国もあります。各国との協定の内容は以下のようになります。
 
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社会保障協定が締結されている国に滞在することになった場合、日本を出国する時と滞在国に到着してからそれぞれ手続きが必要になります。その手続の流れをみていきましょう。