結婚式・披露宴の準備/結婚式の基礎知識

結婚式の常識・非常識を探る(7)和装編(2ページ目)

結婚式の変遷を振り返りながら、何が常識で、何が非常識なのかを探っていくシリーズ、今回は和の婚礼衣裳についてです。常識という基準を知ってスムーズな準備をしましょう!

清水 恩

執筆者:清水 恩

結婚ガイド

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和装の変遷

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伝統的なものだけでなく洋服感覚でデザインされた和装も登場
花嫁衣裳といえば、白無垢や色打掛。どちらも、武家の女性が着用していた「打掛」と呼ばれる衣裳です。武家の衣裳を真似て、裕福な人たちが真似て着用するようになって、婚礼衣裳として定着しました。

白無垢は、最も格が高く、儀式の際にも着用されていた白で統一され、それが死に装束にも共通することから、嫁ぐ覚悟を表したものともいわれます。

色打掛は、結婚の儀式の後の披露の宴に、豪華で色を用いた打掛に着替えて臨んだことに由来する、いわば披露宴のための衣裳。「婚家の色に染まった」ことを象徴するともいわれます。これが「お色直し」の語源でもあります。

ドレスの人気が高まった頃に登場したのが「新和装」と呼ばれる和装。打掛をオーガンジー素材で作り、透け感や洋風の色の組合せを生かした、新しい感覚の和装です。髪型もかつらをかぶらず、洋風にまとめたり、ブーケを持ったりするスタイリングは、この新和装が草分けだったと言えるでしょう。

未婚の女性の正装である振袖も、結婚式で着用されました。過去には、打掛やウェディングドレスからのお色直しにも用いられました。最近では裾を引き摺る形で着用する「引き振袖」が人気で、ベーシックな黒に加え、色物の引き振袖も増えています。

黒の引き振袖は、明治以降の花嫁衣裳として、一般的なものでした。明治に入って、正装が黒と定められてから、既婚女性は江戸褄の黒留袖、未婚女性は黒振袖が正装だったので、儀式の場にふさわしい正装として、花嫁も着用したのです。結婚後は袖を短くして、留袖として着用しました。

男性の和装といえば、現在は紋付袴。最もフォーマルとされるのは、第一礼装である黒の五つ紋付の羽織袴ですが、花婿らしい華やかさから、色のものを着用するケースも増えています。


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