いまや幻の村となった、越廼村にルーツを持つ「越の磯」
青空に生える白壁と黒壁。歴史を感じる。 |
福井県越前岬の突端に位置していた越廼村。福井県で面積最小、人口最小の市町村だった越廼村に、地酒醸造所「越の磯」があった。
2006年福井市との合併で懐かしい海辺の村はなくなってしまったが、地酒「越の磯」は、福井市内で元気に酒造りを続けている。戦後、越廼村から移転した福井市内の醸造場。白壁黒壁でできた蔵は風情がある。
現在4人のスタッフで400石を造る。しぼりたては少々出すが、基本的には、蔵内熟成をして安定させてから出荷するのが、この蔵の方針。最近流行の「ひやおろし」は、その定義の不明確さから造っていないとポリシーもはっきりしている。
2006年に福井市に合併した越廼村をしのんで、名前を残した酒を造る。
ラベルの文字は、越廼村在住の方のものも。紙は越前和紙。米は福井県で新しく誕生した酒造好適米「越の雫」を100%使用。
柔らかで滑らかな舌触り。熟成が見事功を奏している印象。
しぼりたての貯蔵した「低温貯蔵 純米吟醸無濾過原酒」。
米は「越の雫」。原酒だけど、なめらかでスムーズな舌触りで、とてもやさしい。原酒のぴりぴりした印象はまったくなく、ここちよく喉に流れる感じ。
非常に華やかな大吟醸らしい一本。
とは言え味わいは比較的穏やかで柔らかくやさしい。飽きない大吟醸。
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