つづいて、きき酒をさせていただいた。
人気アイテムがずらり並ぶ。 |
【本醸造 天山】
佐賀の日本酒は甘口のイメージがあるが、この天山はきりりと引き締まったから口男酒だ。そのわけは灘の宮水と同じ硬水仕込みだから。
この本醸造は、すっきりと飲み飽きしないタイプ。軽めのコクと品のいい後味が天山らしい。お燗がいい。
【特別純米酒 純天山】
個人的に一番好きな銘柄。竹の皮包みの「地酒天山」と同じ中身。ああ、いつもの味と安心できる。すっきりとした辛口だけど、不思議にどこかコクとまろみみたいなものがあって、後味が長くて香ばしい。
とくにこの銘柄にはそれを感じる。硬水のせいなのか、原料米「西海134号」のせいか・・・・。実に魅力的で飽きない味わいだ。
お燗でおいしいと認められた「純天山」。本当に飽きないおいしさだ。
【大吟醸 飛天山】
華やか過ぎない大吟醸。果物のような甘い香りと、やはりきりりと引き締まった辛口の舌触り。やはり後味に香ばしさが・・・。これが天山の大きな特徴だと思うのだが。
「味幅があって酸もほどほどに」とは社長のご説明。艶があって、華やかで、酸があって、ちょっとリッチな感じ。かなりスタイリッシュな仕上がりの印象。いわゆる流行の味わいのイメージ。シンプルな中にもインパクトのあるラベルもなかなかだ。
真夏の青空のような爽やかでかわいいイメージのラベル。涼しげでこれからの季節にはもってこい。社長に栓を開けていただいたが、泡が吹き出そうで、なかなか難しい。ま、これが発泡酒の楽しみでもあるけどね。辛口だけど優しい甘さがあり、きめ細かい泡がとても新鮮。大人のナチュラルサイダーみたいだ。オンザロックでもいい。
丁寧にご親切に案内をしてくださった七田社長。 ありがとうございました。 |
丁寧にお蔵内をご案内くださる五代目社長は、なんと、小城市観光協会会長でもある。蔵見学のあとは小城市プチ観光。観光会長に町のご案内をしていただくなんて、もう、贅沢っ。
ご神木が台風で倒れたあと奇跡的に立ち上がったお蔵の川向こうにある「岩蔵天山神社」や、今日一日でぶわっと咲いた桜が脅威の美しさを見せる「小城公園」、もしかしたら卑弥呼の墓ではないかといわれる散策道周辺、100年以上の歴史を持つ小城羊羹の老舗や資料館、「祇園さん」の名前で親しまれる階段が印象的な須賀神社、小城駅前の与謝野晶子・鉄幹の碑・・・などなどを見て廻った。
いやはや、なんと歴史の深い町だろう。ゲンジボタル同様、ここは、あらためてもう一度歴史散策とおいしいものを食べに再訪しなければいけないようだ。 歴史と文化に育まれた「天山」。この地の空気を知って飲む「天山」の味わいは、またひとつ深くなったような気がする。
<おまけ>
急な階段が印象的な須賀神社。地元では「祇園さん」と呼ばれ親しまれている。 |
小城羊羹。小城は羊羹の歴史も長いが、消費量も日本一なのだとか。 |
七田会長らが建てた与謝野晶子・鉄幹らの碑。 |