長期樽熟成焼酎のパイオニア

田苑酒造を代表する「田苑 金ラベル」は樽熟成の麦焼酎。1800mlが2,198円、900mlが1,180円。
焼酎好きの方なら、「田苑」ときけば、独特のロゴとちょっと琥珀色がかった色を思い出すだろう。この色は、長期の樫樽で熟成させることからきたもの。そう、「樫樽熟成」が、この田苑酒造を一言で表す重要なファクターなのだ。そして、鹿児島なのに「麦焼酎」が主力商品であることも大きな特徴だろう。

「田苑酒造」の始まりは、明治23年(1890年)創業の「塚田酒造場」から。材料の仕込みを一気に行う「丼仕込み」で「黄麹使用」の「玄米焼酎」という商品を生真面目に造り続ける小さな酒造場だった。地元では「収量は少ないが、味のある焼酎」と人気だったという。

この塚田酒造場が昭和54年(1979年)に、現在の「田苑酒造株式会社」に生まれ変わった。焼酎のポイントは、先に書いた「業界初の長期樽熟成」「芋焼酎のメッカ鹿児島のなかで麦に力を入れる」という差別化だった。

3年貯蔵の原酒のみをブレンドした「田苑 ゴールド」は、720ml、1,260円。アルコール25%。

さらに、蔵にBGMをという従業員の希望からはじまった、クラシック音楽をトランスデューサー(音楽振動装置)によって聞かせながら酒を熟成させるクラシック音楽熟成も、業界では走りだった。

さまざまなアイディアと生真面目に培ってきた技術、そして恵まれた風土のなか、じわじわと認められ、田苑の名を世間に知らしめたのが「金ラベル」の麦焼酎だ。
「田苑 金ラベル」は、淡い琥珀色に、ほんのりと上品にやはり淡く香るバニラのようなフレーヴァー、滑らかで嫌味のない口あたりにほんの少し感じる後味の香ばしさが、どこか優しいウイスキーのような印象だ。

もちろん麦が主原料の蒸留酒で樫樽で熟成させるとなれば、ウイスキーと同じ?と感じるのだけれど、大きな違いは「麹」にある。この麹による糖化と発酵で、日本人好みの柔らかくて、幅と深みのある、体に優しい、飲み飽きしない、そう、食事に合う味わいになるのだ。


30年物の和製バーボン? いえいえコーン焼酎です

透明なバイオリンボトルが、長い間の樽熟で生み出される美しい琥珀色を際立たせる。

専用の木箱に大切に寝かされ発売のときを待つ。

そんな田苑酒造が、30周年記念として発売するのが、長期樽貯蔵焼酎「DEN-EN violin bottle」だ。ベースはなんと創業当時に造られ長い熟成を経た「コーン焼酎」だ。ふうむ、コーンか・・・。ってことはバーボンではないか! まさにこれは和製バーボンってことじゃないか!

いや、もちろんバーボンとは名乗れない。バーボンは、コーンを麦芽で糖化し発酵させ、数回の蒸留を重ね樽熟成をさせる。このコーン焼酎は、コーンを米麹で糖化し発酵させ、一度の蒸留で樽熟成をする。やはり「麹」が絡んでくるところが日本の焼酎らしい所以なのだ。

ウイスキーより淡い色合いで発売と決められている日本の焼酎。淡い色合いも美しい。
で、いただいた。
ほのかな琥珀色。グラスを近づけるとふわっと優しく甘く香ばしく香る芳香。口に含めば、アルコール33%にもかかわらず、滑らかで角が取れたまろみのある舌触りに、やはりふわりと香る甘いフレーヴァーが長く長く残る。穏やかながら品格を感じさせる仕上がりだ。

30年の思いをぎゅっと封じ込めたこの長期樽貯蔵のコーン焼酎は、バイオリン型をした美しいガラスのボトルに詰められた。クラシック音楽熟成が走りのメーカーらしいこだわりだろう。一つ一つ手吹きで、焼酎も手詰めで行われる。台座付き、専用木箱入りの720mlだ。

限定販売数は300個のみ。
価格は100,000円(税込・送料込)。
発売は今年の6月1日で、完全予約制である。

予約受付は3月18日より、「田苑酒造」ホームページ、または、
予約電話番号0996-38-0362から。


30年の思いを埋め込んだ一本を手にする田苑酒造代表取締役社長「有川徹」氏。

ひとつひとつが手作りの「DEN-EN violin bottle」





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