日本酒/おすすめの日本酒

プロが大七と間違えた秋田「こまち美人」

日本酒のプロが「大七・生もと」と間違えた秋田、那波酒造の「こまち美人」。いや、たしかに似ている。大七好きの方、おすすめですよ。

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド

まさに大七。お燗に合うお酒「こまち美人」。

「あきたこまち」を使った純米酒「こまち美人」。4合ビンで1020円。
先日、日本酒にかかわる仕事をしている、いわゆる日本酒のプロと飲む機会があった。
銘柄は「大七 生もと」
お燗番は、このわたし。

旬のつまみを並べてゆっくり楽しむ。
「やっぱりお燗は大七がいいよねぇ」などとお酒の話が尽きない。あれよあれよという間にボトルが空になってしまい、「いかん、ここで間をあけるとこのいい雰囲気に水を差す。お燗番の名がすたる」と思い、以前にいただいて気になっていた別の銘柄をすかさずお燗にした。

こちらが「大七・生もと」4合ビンで980円。うれしい価格だ。
銘柄は、秋田県、「那波商店」「こまち美人 純米仕込み」だ。
これ、飲んでみたかったんだよねぇ。純米酒だしお燗に向きそう、心をこめてお燗にして・・・と、ほっほ~、われながらすばらしいタイミングで、間をあけることなく盃に注ぐことに成功。ご機嫌に飲み続ける相手。ふ~っ。

「いやぁ、やっぱ大七のヌル燗が一番好きだなぁ、うん」「蔵にも行ったことがあるから思い入れがあるんだよねぇ」
うんうん、わかるわかる、私も何度か二本松に行ったことがあるよ。ヌル燗好きなら、やっぱ大七だよねぇ・・・って、違うよ、違う、これ、「こまち美人」。福島じゃなくて秋田。酒造好適米じゃなくて「あきたこまち」使ってんの。ご飯に使うやつ。

我が家のお燗器はこれ、「ミニかんすけ」。超便利。
関連記事→「お燗超便利グッズ ミニミニかんすけ 発売」
いや、別に意地悪でブラインド・テイスティングにしたわけじゃないのよ。銘柄が変わったことを告げる前に、相手が大七だと思い込んじゃってたんだもの。

でもでも、これ、結構香味が似てるんです。マジで、驚き。
香りの立ち方、アタックのまろやかさ、コク、旨味、深み、酸味、後味の少しの苦味、香ばしさ。銘柄がわかっている私でも、すごく似てると思いましたもの、いや、フォローじゃなくて。あきたこまちでもこれだけ深みとコクのある日本酒が出来るんだねぇ。

お燗向きの酒器なら「錫」だ。
造り手の「那波商店」を調べてみると、創業は文化12年(1815年)と歴史があるし、もちろん寒仕込みに適した雪国で、雄物川の河口に位置する水にも恵まれた立地だ。さらに山廃にも力を入れているお蔵ということがわかった。もともと秋田は瑞々しく優しく甘い女酒が多い土地だという気がしていたけれど、大七と見まごうばかりの骨格のしっかりとしたものがあるのだ。

なんだか妙なめぐり合い方だったけど、いい銘柄に出会えてうれしい瞬間だった。大七ファンの方は多いと思うが、同じような味わいで、違う銘柄を試してみたいと思う方には、すごくおすすめだ。ヌル燗から熱燗まで、結構いける。ぜひ、お試しあれ。






こちらは1升ビン。2,040円。ちなみに大七の1升ビンは1,960円。






こちらの辛口は、シャープな切れ味を持つタイプ。魚やお肉の脂分を洗い流してくれる。4合ビンで1,030円。


そうそう、その大七と間違えた人、その後どうしたかって?

ええ、数杯空けたところで(←ここが私の意地の悪いところ)、銘柄が「こまち美人」だと告げたら、「ええーっっ、うっそぉー、なんで教えてくれなかったのーっ。ああ、自分の舌に自信なくした・・・」と、がっくり肩が床まで下がってしまった。
その後のお酒の味は苦かったことだろうね。くくくく。


■ 那波商店
  TEL:018-845-1260/FAX:018-846-7800
  秋田県秋田市土崎港中央一丁目16-41
  ・こまち美人  720ml 1020円
           1800ml 2040円


【編集部おすすめの購入サイト】
Amazonで人気の日本酒をチェック!楽天市場で人気の日本酒をチェック!
※記事内容は執筆時点のものです。最新の内容をご確認ください。
※メニューや料金などのデータは、取材時または記事公開時点での内容です。

あわせて読みたい

あなたにオススメ

    表示について

    カテゴリー一覧

    All Aboutサービス・メディア

    All About公式SNS
    日々の生活や仕事を楽しむための情報を毎日お届けします。
    公式SNS一覧
    © All About, Inc. All rights reserved. 掲載の記事・写真・イラストなど、すべてのコンテンツの無断複写・転載・公衆送信等を禁じます