人気日本酒居酒屋の高田馬場「真菜板」ご主人夫妻と、これまた人気の静岡『開運』を訪ねるという、なんとも贅沢な1日旅行に行ってきた。
大型ホテルのつま恋ヤマハリゾート&桜満開のお庭 |
昼食は「つま恋ヤマハリゾート」。満開の桜の中、懐石弁当をほおばる。マグロとカンパチのお刺身、浜名湖が近いからかウナギの蒲焼と茶そば。そしてもちろん、お酒は『開運 祝酒 特別本醸造』だ。
すっきりとさわやかで飲みやすい。昼のお弁当にはピッタリの一本だ。二人で300ml一本があっという間になくなる。
お昼の懐石弁当に「生本醸造」がぴったり(=左) 「ボケ封じ観音」観音様の足元にはおじいさんとおばあさんが(=右) |
続いて向かったのが、「高野山真言宗 如意輪山 今瀧寺(こんりゅうじ)」。遠江三十三観音巡りの32番札所になっており、1300年の歴史を誇る名刹である。
何より有名なのは「ボケ封じ観音」さまだということ。日頃の酒ボケでとんと働かない頭を何とかしていただくために、そりゃあもうしっかりお祈りしてきましたさあ。今年八十歳(だったか)とおっしゃるご住職のお元気なお姿を拝見すると、絶対ご利益ありまっせ、という感じがする。
ちなみに、近所に「1番札所 結縁寺」なるお寺を発見。今のあたしにゃあ、こちらが重要だけど…、と指をくわえつつ今回は見送りました。関係者はぜひとも立ち寄るように。
土井社長(ほろ酔い前) ちょっとピンぼけごめんなさい |
歴史と風情のある黒塀に八分咲きの染井吉野がうつくしいったらありゃしない。本当にいいタイミングで来られました。これもボケ封じ観音様のご利益かしらん。
迎えてくださるのは、土井社長と、あの名杜氏、波瀬正吉さんだ。
メディアがこぞって掲載する静岡のこの『開運』(土井酒造場)は、洗練された味わいとおめでたい名前があいまって、ともかく大人気の銘柄なのだが、通を唸らせる大きな理由は、能登出身の名杜氏、波瀬正吉さんが造り出すお酒の完成度の高さにある。
酒類審議委員、日本酒サービス研究会最高技術顧問などを兼任する、酒造技術指導の第一人者、上原浩先生(この方、漫画『夏子の酒』に登場する上田先生のモデルです)が天下一と認める杜氏でもある。
この方が波瀬正吉杜氏だ! (もっとピンぼけごめんなさい) |
「造りはあ、一麹、二もと、三造りと言うけどお、本当は麹を造るまでがもっと重要。まず、いい原料、それからしっかりとした洗い、丁寧な蒸し、ここまでをきっちりやればあ、間違いなくいい酒ができるんやあ」とつやのいいお顔で話される。なんだか親戚のおじさんと話をしてるみたいでますますもってうれしくなったきた。
基礎中の基礎をしっかりやる。そうして出来上がったのが『能登流 開運 波瀬正吉』だ。
黒塀に桜が美しい土井酒造場の門 |
波瀬杜氏じきじきに注いでいただく『波瀬正吉』は、実に感動ものであった。
その波瀬さんとともに、蔵見学。
麹米を手づかみで食べさせてくれたり、麹室にもドカドカ入れてくださったりしたけど、大丈夫かあ、と心配になるくらいおおらかにあれこれ見せてくださる。なんだか我々の雑菌がついちゃうんじゃないかと心配になってきた。みなさま、4月の仕込みのお酒はちょっと雑味があるかもしれません、そのときはあたくしたちの責任でございます。