日本酒/日本酒の選び方・楽しみ方

あなたのお好みは? 日本酒をきき酒してタイプを知る(5ページ目)

自分だけの味わいの基準を決めると、日本酒の楽しみ方がぐっと広がります。好みの風味から、どんなお酒を買えばいいかが分かる『日本酒タイプ一覧表』も掲載!

友田 晶子

執筆者:友田 晶子

日本酒・焼酎ガイド



[7]純米か本醸造か

  • 純米酒・・・・・コクとふくよかさ
  • 本醸造酒・・・なめらかさと艶のある舌触り

[8]火入れをするかしないか

  • 生酒系・・・フレッシュで爽快。若々しさ、固さ、荒々しさ、アルコール感、涼しげ、ミネラルウォーターのよう。
  • 火入れ系・・・まろやか、落ち着き、なめらか。


[9]割り水をするかしない(=原酒かそうでないか)

  • 原酒・・・アルコール感、辛み、刺激、コク、しっかりと骨太、ぽってりとした重み。
  • 割り水・・発酵後、出来上がったお酒に水を加え、味を調整したお酒。やわらかさ、なめらかさ、マイルドさ、軽やかさ。



[10]濾過するかしないか

  • 濾過する・・・クリアでクリーン。軽やかですっきり爽やか。
  • 濾過なし・・・クリアなものから、ほんの少し濁りがあるもの(=おりがらみ)、白く白濁しているもの(=にごり酒)までいろいろ。コクと旨味がある。

[11]しぼりたてか熟成か

  • 絞り立て(=出来立て)・・・フレッシュでさわやか。荒々しさ、固い、微発泡の刺激、酸味、ミネラルウォーターのよう。
  • 熟成・・・なめらか、落ち着き、コク、深み、旨味、リキュールやブランデーのよう。


また、[1]米、[2]水、[6]仕込み時の温度、などから地域性が出て、それが地酒の特徴となります。代表的な地酒には以下のようなものがあります。

●灘、伏見・・・硬水の灘(兵庫)のお酒は、からりとキレのある男酒、軟水の伏見(京都)のお酒は、しっとりやわらかい女酒になります。
●新潟の淡麗辛口・・・雪深い新潟は、自然に寒仕込みになる地域。すっきり上品な味わいの淡麗辛口に仕上がります。
●岐阜の濃醇旨口・・・岐阜や滋賀の一部では、コクと旨味、さらには甘味のあるこってりタイプのお酒が造られています。濃醇旨口といい人気があります。
●瀬戸内海の内側と外側・・・瀬戸内海に面した地域は、わからく甘味のあるお酒が、日本海側と太平洋側の地域は、すっきり辛口のお酒が多いといわれています。
●岡山赤尾雄町と宮城ササニシキ・・・「雄町」の中でもブランドは岡山の赤尾雄町。十分なコクとしっかり骨太の男性的な味わいになります。
また、ごはんでも知られる宮城のササニシキはすっきり軽やか、ソフトな仕上がりのお酒になります。
    




こんな違いが生まれる日本酒、ちょっと難しいように見えるかもしれませんが、いくつかのお酒をならべて味比べしてみると、きっと、違いが見えてくるはず。

え、何本も開けるのは難しい? では、180mlや300mlくらいの小ビンを数本揃えて味比べしてみてはいかが? デパートやスーパー、コンビニでたくさん売られていますよ。もしくは、日本酒好きが集まって、きき酒会を開くのも一興。一人1本持ちよりにすれば、集まった人数分のきき酒が出来ます。
あまった時は、しっかり栓をして冷蔵庫に。あっさりしたものであれば2、3日。しっかりコクのあるものなら4、5日もちますから安心して。

さあ、次回は、それぞれのタイプの具体的な愉しみ方をご紹介します。お楽しみに。
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