鹿児島は雨。
西郷さんがおでむかえ |
鹿児島市内にはこの国道、ほんの数十メートルしか走っていないし、「港通り」(だったかな)とか何とか呼ばれていてだ~れも知らないらしい。蒸留酒のルーツを秘めた壮大なロマンがここに、いままさにここに眠っているというのに、鹿児島市民は一体何をしておるのだっ、という思いを隠し笑顔で記念撮影。
しかしやはり雨のせいか肌寒い。南の島々とは違うんだなあ。
泡盛、黒糖と暖かい地方で造るお酒は「黒麹」の強いクエン酸の力で雑菌に負けないよう醸造を行なってきたけれど、この芋焼酎の産地では「白麹」が多い。これも、この気候風土の違いからくるものなのだろうか。
これが黄金千貫だ(=左)、とれたて黄金千貫を蒸しあげている(=右) |
そうこうしていると本日の最初の芋焼酎蔵『本坊酒造』に到着。
昔ながらの木造りの蔵で、ちょうど今の時期、収穫したてのさつまいも「黄金千貫(コガネセンガン)」の洗いのところからみることができる。
芋という収穫時期のある焼酎つくりという点でも、泡盛、黒糖とはひとあじちがった焼酎となるように思う。
ちなみにこのお芋、1kg70円~100円なのだとか。ひとつ300gくらいだから、うう~ん、原料費も結構かかるものだ。ちょっと味見をさせていただいたが、ほくほくして栗っぽい味でなかなか美味しい。
黒麹仕込みはもろみも黒い |
「今年は芋の収穫量が少なかったんですよね~」とおっしゃるのは本坊酒造知覧工場長の宿口修一さん。
さらに、黒麹菌がついた米を噛んでみると、すっぱくてりんごみたいな味がする。泡盛でも黒糖焼酎でも、発酵中のもろみは、香りも味も同じようにりんごジュースのようだった。これが雑菌に強い証拠なのだろう。
まじめに説明してくださった宿口さん |
もともと芋焼酎は白麹仕込みが多かったが、最近で黒麹も人気だという。一般に「白」はすっきりシャープ、「黒」はコクがあってしっかりと、…といわれているが、実際に飲んでみると大きな違いと言うのは、実はあまりないんじゃないかなあと思う、今日この頃の私である。
「麹も重要ですが、蒸留機の形の違いでずいぶん味が変わってるんですよ。ネックが短いと味がよく出て、コクのあるタイプに仕上がるんですよね。」
ほらね。
なるほど、いろいろ蒸留機の形があるけれど、違いはそういうことだったんだ。
「でも、いまだによくわからないことも多いんです。(笑)」実直そうな笑顔が印象的だ。