美しいブルーボトルは涼しげ |
なんと、お花から抽出した酵母を使って醸した清酒や日本酒が花盛りだ。はい、イメージどおり、華やかで軽やかで、すっきり夏向きのタイプが続々登場しているよ。
きっかけは、1998年、東京農業大学の中田久保教授が、自然の花から優良天然酵母を採取する方法を研究発見したこと。1999年にテスト仕込をし、2000年に商品化され、今年2003年“東京農大花酵母研究会”が設立され、大々的に発表となったのだ。
研究会の参加蔵32社(うち2社は焼酎)は、今までの「配布酵母」と違う香りや味を持つ天然酵母なので個性ある高品質のお酒を造ることができるととっても意欲的。
現在使用されている花酵母とその特徴はこんな具合。
・なでしこ酵母=ND(華やかな香り) ・日々草酵母=NI(しっかりとしたふくらみのある味) ・ベゴニア酵母=BK(吟醸香に似る) ・つるばら酵母=HNG(ふくみ香が特徴的) ・アベリア酵母=AB |
タンポポやバラ、アザミなどもある |
実際に味見した感想は、どこの銘柄でも、
「なでしこ酵母モノ」はフローラルでフルーティーな香りと甘い味わい。
「日々草モノ」はなめらかだけどコクがあってやさしい辛口の印象。
「なでしこ」が冷やなら、「日々草」がヌル燗だろうか。
花酵母発表試飲会の模様 |
そんな味わいと「花酵母」という響きから女性向きと想像するけれど、当会会長を務める大井建史氏(秋田県 天寿酒造株式会社代表取締役社長)は「酵母ごとに個性が違うので、単に女性向きという考えではなく、あたらしい消費者にむけてPRしていきたい」とおっしゃる。
こんなのや・・・ |
なるほど確かに、同社の人気アイテム『純米吟醸 鳥海山』は花酵母の文字はどこにも表示されていないのだけど、実際にはなでしこ酵母を使用しており、華やかななかにも繊細さと落ち着きのある風味が男性にもと~っても人気がある。
ことさら花酵母を前面に押し出さない銘柄も多数あり、協会7号や協会9号(通の方にはおわかりいただけますね、デリシャスリンゴやバナナのようなフルーティーな風味をかもし出す吟醸酵母のことですよ~)とは違った趣の吟醸風味というアプローチが今のところの見方なのであろう。
こんなのや・・・ |
とはいえ、せっかくロマンチックな花酵母。
同天寿酒造の『花のように』みたいな、見るからに女性好みのスタイリングで、美しい色合いや可憐なデザインのボトルに目が行くのはしようがない。
テイスティングのときに一緒になった、研究に携わっているという農大の生徒さん(女の子!!)二人が「今、開発中なのはイチゴなんデ~ス」と答える可愛さに、ああ、こんな女の子たちに楽しんでもらえるようになるのが、やっぱ花酵母の使命じゃなかろうか、とおばさんは思わず深くうなずいてしまった。
只今イチゴや牡丹を研究中の農大生 篠崎咲子さんと森紗夕希さん |
こんなのや・・・ |
さらに「もう季節が終わったので来年ですが、牡丹も興味がありマ~ス」とも。
そうそう、日本酒になくてはならない季節感を打ち出すのにも、この花酵母、まさにうってつけではないか。蔵元さん同様、開発女子大生チームにもぜひともがんばって欲しいと、再びおばさんは一人深くうなずいてしまったのだ。
こんなの(コレ焼酎)がある |
商品化から3年目。吟醸酒のニューウェーブともいえる花酵母の「花が咲く」のは、さていつ頃になるだろうか。「満開」となる日が待ち遠しいな~。
実は、今、ちょうど見頃を迎えているなでしこの花だから、なでしこ酵母のお酒は、お中元商品にもピッタリ。オシャレでしょう?
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『本醸造酒 花のように(なでしこ酵母)』 500ml 850円 天寿酒造株式会社 秋田県由利郡矢島町城内字八森下117番地 電話 0120-50-3165 FAX 0184-55-3167 |