■やっぱりこれ、ヒレ酒
(酒器) 蓋付きの瀬戸物
(日本酒の種類) 辛口の本醸造
(燗の具合) 超超熱燗
(肴) ふぐの皮と青ネギのサラダ
この時期ならではのヒレ酒。ふぐがなくとも・・・(トホホ)、ヒレ酒さえあれば、なんとなく心温まるし、なんてったって超熱燗をフ~フ~してズズッとすすれば、冷えた体も急速に温まるってもの。ヒレ酒の器は蓋付き。なぜなら、ヒレ酒は飲む前にこのヒレをちょいと箸で摘み上げ、マッチで火をつけ、ボッとアルコールを飛ばしたあと、すかさずこの蓋を閉める。
気持ち蒸らすようにすると、より香ばしくなって、うう~ん、たまら~ん。
もちろん、ふぐ刺しや唐揚が目の前にあれば文句なしだけど、意外に安くておいしいのが、ふぐ皮。プリプリコリコリで、たっぷりの青ネギとポン酢であえれば、結構ゴージャス気分が味わえる。ヒレ酒の香ばしさと、プリコリポン酢の相性は、もうほかのなにものにも変えられませ~ん。
■これがホントの熱燗だ
(酒器) 錫の燗つけ徳利と杯
(日本酒の種類) 純米酒
(燗の具合) 徳利を手でもてる程度の熱燗
(肴) くちこ
燗をつけるってホント難しい。昔は料理屋さんに「お燗ばん」と呼ばれる燗をつける専門家がいたくらいプロの業が必要なもの。でも、この素材の酒器を使えば、不思議とおいしいお燗になる。
それは「錫(すず)」。理由は・・・・、わからん。正直わからん。だれも解明できないのだ。でも不思議。「錫」の入れ物にいれ、ゆっくり湯煎しながら燗にすると、まろやかなめらか柔らかい味わいになって、普通のお酒にどこか深みのある風味が加わる。もちろん、杯も「錫」がいい。なんとなく柔らかい感触の金属「錫」は、唇にあたる感じも柔らかい。
燗にすることによって、つんと鼻につくアルコール臭がなくなるから、「お燗は臭い」と思っている人にはぜひ体験してもらいたい。
お酒はやっぱりピュアな純米酒。炊き立てのご飯みたいな香りが楽しめる。肴は、せっかく正調お燗ゆえに、格調高く「くちこ」でいきたい。
なまこの卵巣を集めて干したもの。三味線のバチ型で美しいオレンジ色をしている。少し炙って、ちいさく裂きながらつまめば、上品な磯の香りが、お燗酒の旨味を倍増させてくれる。オオーッ、大人の味わい。
ただし、高級珍味。心して味わえ。
■冷やばかりじゃないぞ、大吟醸
(酒器) 薄手の白青磁の徳利と杯
(日本酒の種類) 大吟醸
(燗の具合) ぬる燗
(肴) 湯豆腐
華やかでフルーティーさが身上の吟醸酒は、どうしても冷やで飲むことが多くなりがち。でも、ほんのり人肌に温めると、吟醸ならではの心地いい甘味が膨らみ、柔らかい味わいとなる。
実際、ぬる燗で飲んで欲しいという吟醸つくりの酒蔵さんもある。
でもポイントは熱しすぎないこと。口に入れてほんのり温かみを感じるくらいがベスト。
酒器は、繊細さを生かした白青磁がお勧め。それも薄手のものがいい。熱燗では触れない薄手の徳利はこんな時のためのもの。唇に触れる感じも繊細で、吟味して醸されたお酒の真髄を楽しめる。
肴は、やっぱり繊細な味わいの湯豆腐。それも、京風の絹ごしのなめらかさがピッタリくる。昆布出汁の風味に、ゆずをたっぷり添えれば、もう言うことなしの相性だ。
■友田流 ホット酒カクテル
(酒器) 小ぶりのマグカップ
(日本酒の種類) お手頃価格のものなら何でも
(燗の具合) アツアツスープぐらい
(肴) ポテチ、あられ、ナッツなどスナック類
いいじゃないの、日本酒をお鍋でそのまま温めても。むずかしいことは言いっこなしよ。イメージはホットワイン。
お鍋に日本酒を入れ沸騰しない程度に温める。そこに絞りたてのゆずジュースをお好みで入れる。甘口がよければ蜂蜜を入れてもいい。お燗のツンとしたアルコール臭がなく、飲みやすいホット酒カクテルになる。
マグカップに注ぎ、ふう~ふう~しながら楽しんで。ポテトチップスなどお気軽コンビニスナックで、ワイワイ盛り上がって、寒さを吹き飛ばせ!
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