「味わい深い日本酒を造りたい」とする若手酒蔵経営者集団「日本八壷会」(メンバーは、秋田天寿酒造(株)、宮城〔株)佐浦、福島大七酒造(株)、東京小澤酒造(株)、長野宮坂醸造(株)、長野(株)桝一市村酒造場、岐阜白扇酒造(株)、富山(株)桝田酒造、兵庫(株)西山酒造場、高知司牡丹(株)、佐賀窓の梅酒造(株)、熊本千代の園酒造(株)の12社)が、グラスメーカーのリーデル社に、「そのノウハウを日本酒にも活かせないだろうか?」という提案を持ちかけたのが1998年。
「形は機能に従わなくてはならない」をコンセプトに、ワインをはじめさまざまなお酒を最大限に楽しめるグラスを開発、いまやワイン好きで知らぬものなしといわれるリーデル社であるが、創業は1756年ボヘミア。「ソムリエシリーズ」は世界的な評価を受け、現社長ゲオルグ・リーデル氏は1996年英国「デカンター」誌で最年少のマン・オブ・ザ・イヤーに輝いたという、名門&老舗のグラスメーカーだ。
若手日本酒メーカーと老舗グラスメーカーの想いが重なり、生み出された大吟醸グラスは、まず、100種類以上もあるサンプルグラスの中から、比較試飲を重ねること25回。述べ、200人の専門家による厳しいテイステイングをクリアして2000年5月、ついに「リーデル大吟醸グラス」が世界に向けて発売された。
そのフォルムは、上質のシャルドネグラスに似た曲線を持つ繊細なもので、ワインと同じように「脚」の部分がついている。あくまで、ワインではなく、日本酒、それも「大吟醸」のよさを最大限に生かしたデザインとバランスを意識したというリーデルの言葉どおり、実際に試飲してみると、大吟醸の華やかな果実香が生き生きと感じられ、艶のある味わいを楽しめる。
日本人の私としては、日本の食卓に置くには、少し背が高すぎるかな、と思わないでもないが、そこはリーデル社のおはこデザイン。ま、ちょっぴりハレの日使用ということで、お勧めしましょう。
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