2/2 インド料理「Priya（プリヤ）」…広尾 [エスニック料理] All About

カレー以外の料理にも注目したい

店内は高級レストランのような雰囲気。といっても、ラージマハール（マロニエゲート店は別として）が得意とするゴージャス系ではなく、すっきりとクールな空間。開放的で清潔感にあふれている。まさに広尾という場所に迎合した雰囲気だ。

そんな店内でいただける料理は、基本的にはラージマハールとほぼ同じメニュー構成。カレーの味もラージマハール同様、比較的マイルドで生クリームを多めにつかった味わいのものが目につく。が、マトンやラムをつかったカレーは、苦みや深みを感じるスパイスがきいているため、マイルドなカレーを好まないかたには最適なのでは。ただ、辛さはそう期待できない。そのままの味わいでまとまっているとは思うのだが、もし辛さを求めるのであれば、注文時に伝えておくことをおすすめする。

プリヤのカレーは総じて、スパイスがバランスよくこなれた優等生カレー。ワタシ自身、はねっかえりなところがあるためか、カレーにもそれを求めるようで？正直、個人的にはやや物足りなさを感じるのだが、ここでおすすめしたいのは、カレーではなくそのほかの料理である。

まずひとつは「ビリヤニ」だ。マトンとチキンの2種類があるのだが、特にマトンビリヤ二は、バスマティライス（インドの香り米）のパラリとした食感と程よい油加減が心地よい。香りもよし。きゅうり、パイナップル、塩などがはいったヨーグルトがついてくるのだが、これをかけながら食べると、なお旨し。ボリュームもあるし、これはなかなか満足度の高い品である。

あとは、インドの釜、タンドリーで焼いた野菜料理「バルワンアルー（じゃがいものなかに野菜をつめたもの）」と「タンドリーカプシカム（ピーマンのなかに野菜とチーズをつめたもの）」。ラージマハールの定番料理だが、こちらでも健在。メニューをみて、ふふふっ。ひとりほくそ笑んでしまった。お値段が懐に少しやさしくなっているのである。食べて、にんまり。おいしさも増したような…。

タンドリー料理といったら、最近では肉や魚を頼まなくなったワタシ。だって、野菜のタンドリー焼きがとってもおいしいのだもの。ここでは「タンドーリベジタリアンスペシャルセット」を、ミントなどの爽やかな香りに辛みがきいた「ミントチャトニ」を添えていただいた。このミントチャトニがまたいい味を出し、より色濃く印象に残った。

ディナータイムは料理がより生きてくる

「プリヤ」は、ランチが1,000円～。決して良心的なランチ価格とはいえないが、これにはサラダ、チキンティッカ、ナンまたはライス（ジーラライス：クミンいりのライス、しかもナンとライスは食べ放題。ハーフナン＆ハーフライスという注文も可）、飲みもの、デザートがつき、そこそこのボリュームだ。

それに、ランチでもスタッフの応対はスマート。店長のボンケシュパンデさんは、一見声をかけづらい雰囲気があるけれど、話しかけると優しい笑みで応対してくれ、また来よう。そんなふうに思ってしまうほど。
と、こんなふうに、場所柄長居ができ、しかも落ち着いてランチを楽しめるお店としては、なかなかお値打ち感があるといえるのではないだろうか。

といいながら、個人的には、ディナータイムに訪れ、「ビリヤニ」と野菜の「タンドリー料理」に舌鼓をうちたくなるのですけれどね。

「プリヤ」で食事を楽しんだ帰りは、東京フロインドリーフで数種のパン、ナチュラルマートで有機のタヒニ（ゴマペースト）などを買い、時間があったら、駅を通り越して、ナショナル麻布スーパーマーケットでお買い物。これがいつものワタシの行動パターン。プリヤに行くと、なぜかこのコースをめぐりたくなるんですよねぇ…。ということは、この店って、もっとも広尾らしいお店ってことかしら…？