はじまりは大切な友人たちに披露した料理だった

いつ訪れても、この女性は嬉しくてたまらないという表情で客と話をし、にこやかに微笑んでいる。
「初めてお店に来る人は、ミャンマー料理がどんな料理なのかわからずに食べにくることが多いけど、食べると、食べやすくておいしい!と言って、また来てくれるんですよ。お店を続けるのはいろいろと大変だけど、お客さんの喜ぶ顔を見たいから、がんばろうって思うわ。」

こぼれんばかりの笑みを浮かべてこう話すのは、「シュエジンヨウ(金のかもめ)」で料理に腕を振るうイーイーオンさん。
幼い頃から料理を作ることが大好きだったというイーさんは、娘さんの誕生日や記念日には友人を招き、愛情をもってミャンマー料理をふるまい、ときには、地域のイベントなどでもその腕前を披露したのだという。そしてその味に魅せられた人が続出。娘さんの成長をきっかけに、店をオープンするに至った。

初めて、それもひとりで訪れても安心!

店内
テーブル18席、カウンター4席の寛ぎに包まれた空間。
オープンは2008年の3月。最初の半年間は閑古鳥が鳴いたそうだが、ランチに訪れた人がその充実した内容と価格、味の確かさに惹かれ、夜も訪れるようになった。そして評判が評判をよび、いまではランチ時はいつも満席。夜も予約が入るようになったという。

ここを訪れる人々は、なにもミャンマー話で盛り上がったり、東南アジアや旅行好きばかりではない。
普段の何気ない会話を楽しみながら、心温まる料理でほっと和みたい。そんなひとたちが集う店である。

店内の雰囲気は、素朴でほっと和む空間。清潔感がある。昼は女性ひとりで食事を楽しみ、本を読んで、ゆっくりと店をでていくひとも多いという。ほんのつかの間、日常生活から脱することができる快適な空間がそこにはあるのだ。