では、早速中にはいってみましょうか。
店内
入り口にテーブル席、奥にはカウンター席が。
店内は、テーブル席が20席ほどにカウンター席が5席ほど。装飾品がほとんどない素朴な店内ながら、壁に飾られたウイグル文字や絵画、地図などが異国を想わせる。

カウンター奥はキッチンになっており、バンバンッと麺を打つ音とともにスパイスが香り、さらにシルクロードの魅惑の地、ウイグルへと誘われる。

こちらでウイグル料理に腕をふるうのは、オーナーでもある新疆ウイグル自治区の西部ケリピン出身の男性、ユヌス ヤセンさん。

「ウイグルでは小麦粉を使った料理を本当によく食べます。特に麺はみんな好きですね。家でも外でもよく食べますよ。私も小さい頃からよくお母さんの手伝いをして麺料理を教わったものです。」とユヌスさんは語る。

麺打ち
素早くきし麺を伸ばすのは、ユヌス ヤセンさん。麺はよく伸ばすことでコシがでるという。
ウイグルでは麺は手打ちがあたりまえ。ここでも毎日生地を練り、客の注文に応じて生地をのばして茹で上げる。

「麺を作るときは分量なんて量りませんよ。小さい頃からずっと作っているから、勘で作れるんです。」

とのユヌスさんの言葉に、愚問かと思いながらも、失敗することはないんですか?と尋ねてみると、

「失敗すること?う~ん。失敗というか、100回に1回くらいは麺が柔らかくなりすぎることがあるくらいで、あとはいつも同じ味ですよ。小さい頃から、お母さんに叩かれながら、しっかり教わったからね。(笑)」

との言葉が返ってきた。もともと料理が好きだったというユヌスさんは、お母さんの味を舌と肌でしっかりと記憶した。そしてその後、ご自身の好奇心と研究心をもって独自の味を築きあげたのだという。

ユヌスさんが茹で上げる麺は、ところどころ太さが違うときもあるけれど、食感はもちもち。のど越しはつるり。小麦粉がもつ特性を存分に楽しむことができる。シンプルな味わいながら、打ちたての麺を口にできるなんて、本当に贅沢なことだわ!そんな想いにさせられる。

さてさて。ウイグルの麺料理といって、まず食すべきは、なんといってもラグメンだろう。うどんのように断面を丸く仕上げた麺に羊肉(マトン)、じゃがいも、玉ねぎ、にんにくの芽などをトマト味で炒めたものをかけた料理である。(詳しくはこちらをご覧ください。)
ラグメン
注文を聞いてから麺を伸ばし茹で上げた麺に、トマト味で仕上げた具沢山の具をかけた「ラグメン」。

ラグメンはウイグルの国民食ともいえ、いたるところで食されていることもあり、作り方や味は人それぞれ。シルクロードハウスのそれは、油分や塩分が少なめであっさりしているため、ウイグル料理初心者でも楽しめるのではないだろうか。