定番料理から珍しい料理まで、ずらり勢ぞろい
料理数は、都内のインドネシア料理店と比べると目を見張るものがある。かなりの数だ。通常メニューの多さもさることながら、メニューの1ページめに記載された季節限定メニューや期間限定のトライアルメニュー。これらがぎっしりと書かれており、眺めているだけでも料理への期待が高まり、胸がそわそわと騒ぎだす。
|
酸味や甘み、苦み、香ばしさが牛テールスープに溶け込んだ「ソプ・ブントゥット(牛テールスープ)」。レモンをギュッと搾り、好みでサンバルやケチャップ・マニスでアクセントを。定番のナシゴレン(インドネシア炒飯)やアヤム・ゴレン(インドネシア風鶏の唐揚げと生野菜)、サテ・リリット(バリのつくね風串焼き)、ルンダン・サピ(牛肉のスパイス煮)などに加え、脇をかためるメニューもまた魅力的なものばかり。
グネツムの種子をつぶし、天日で乾燥させた少し苦みのある「エンピン」というおせんべい(上野のセンタービルの地下でも手に入るけれど、メニューにあるとやっぱり嬉しい)をはじめ、庶民の味、ソト・ババット(モツ煮のスープ)やソプ・ブントゥット(牛テールのスープ)などのスープ類も充実。(スープはごはんにかけて食べると美味!)。
また、イカン・ペペス(魚のバナナの葉包み蒸し)やマルタバ(インドネシアのお好み焼き)といった珍しいメニューも。
在日インドネシア人に愛される現地スタイルの味
|
スパイス類でマリネした魚をバナナの葉に包んで蒸しあげた「イカン・ペペス」。料理を手掛けるのは、来日して20年、ジャワ島出身の女性シェフである。この店には在日インドネシア人が多く訪れるということもあり、味は現地スタイルのまま提供しているそうだ。
インドネシアは多民族国家。宗教や生活習慣によって味や料理スタイルはさまざまである。だから、できるだけ客ひとりひとりの好みに合わせて調整しているのだという。
また、メニューも在日インドネシア人の声で次第に増え、現在のような豊富なラインナップになったのだとおっしゃっていた。珍しいメニューに出会えるのはこのお店の最大の魅力。それだけ、インドネシアの人達に愛されている店、という証なのでしょうね。