エスニック料理/食にスポットをあてた旅

内モンゴル自治区の朝ごはん【2】(2ページ目)

内モンゴルの朝ごはん第2弾。次第になくなりつつある、伝統的な朝ごはんをご紹介。ひと鍋に栄養が凝縮された驚きの鍋が登場!

佐藤 わか子

執筆者:佐藤 わか子

世界のおうちご飯ガイド

モンゴルの粟はシリアル感覚

粟
粟をミルククリームで和えたもの
“アンブタ”と呼ばれる炒った粟は、内モンゴルの朝ごはんの定番。
ミルクを自然発酵させ、表面に浮いたクリームやヨーグルト、牛乳に砂糖を加えて食べるこのアンブタは、まさにモンゴル版シリアルというべき栄養補給食品。

正直見ためはあまり食指が動かなかったのだが、ひとたび口にすれば、あら不思議。なんだかクセになるお味で、濃厚でほんのり甘みを帯びたクリームが、香ばしいアンブタをやさしく包んでいる。なんとも胃にやさしい食べ物だ。この食べ物は、男性よりもどうも女性のほうが好きなよう。デザート感覚としても食べられているようだ。

羊肉をお茶に浸して食べるとは・・・

チャナサンマハ
羊肉の塩茹でしたものをお茶にいれていただく。
モンゴルでは羊肉は欠かせない。なかでも塩茹でした“チャナサンマハ”はその代表格といえるだろう。
前の晩に残ったチャナサンマハは、翌朝ふたたび食卓に上るのだが、その食べ方にはちょっとした驚きがある。

そのまま食べるのはもちろん、なんとお茶に浸して食べるのである。
軟らかくするため?消化をよくするため?そのあたりはよくわからないのだが、みんなあたりまえのようにこんな食べ方をしていた。

朝にはまずボーブとミルクティー

ボーブ
素朴な揚げ菓子「ボーブ」
塩味のミルクティー“スーテーツァイ”のお供いったら、「ボーブ」。これも朝ごはんには欠かせない。朝ごはんというよりは、お菓子といった存在で、いつでもどこでもまずはこれが出てくる。
小麦粉を練って揚げたドーナツのようなものなのだが、ドーナツよりは硬く、砂糖は少し入っている?いや、入っていないかも・・・といった甘みをほのかに感じる味。かみ締めていただく素朴なお菓子といえるかな。
羊の油で揚げることが多いので、腹持ちはバツグン。スーテーツァイに浸して食べたり、そのままで食べたり、朝食はスーテーツァイとボーブだけということもある。

■モンゴル食紀行INDEX
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