シンプルなのに深~い味
タイのご飯料理といったら、やっぱり「カオマンガイ」
カオマンガイは、ご飯の上に茹でた(蒸した)鶏肉をのせ、濃厚なタレにつけて食べる料理である。
最近、日本で「海南チキンライス」なる料理がちょっとしたブームになっているが、この料理は中国の海南島がルーツであり、「カオマンガイ」は実はここから派生した料理だといわれている。海南チキンライスとカオマンガイ。大きな違いは、タレだといえるかな。
タイ人好みに変化した「カオマンガイ」は、見ためは少し華やかさに欠けるものの、その味わいは実に滋味にあふれている。
滋味にあふれているって、どんなところが?と聞かれても、そこここにおいしくなる秘密がたくさん隠されているので、なかなかひとことでは言い尽くせないのだが、ひとつ挙げるとすれば、ご飯である。
「カオマンガイ」には、冬瓜や大根いりの鶏がらスープがつく。 |
香ばしいにんにくと鶏肉の旨みが、米にぎゅぎゅっとしみこんでいて、米をかみ締めるごとに旨みがじんわりと。そこにジャスミンライスの香りもプラスされて・・・あぁ、なんて美味しいの!素直にそんな言葉が口からこぼれる。
ご飯と同じく、しっとりとした鶏肉やタレもそう。どれも決して派手な味ではないのに、それぞれ不思議と印象に残る味なのである。
シンプルな料理こそ、熟練した技術が問われるとはよく言われることだが、この料理はまさにその典型だといえるだろう。
その証拠にといっては何だが、この料理はご飯が水っぽかったり、香りがほとんどなかったり、鶏肉の臭みがでていたり、鶏肉がかたくなっていたりと、正直、店によってかなり当たりはずれがある。それだけ難しい料理だということであり、片手間では作れない(ワタシも家で作るのだが、なかなか納得する味にはならない)。タイにはカオマンガイ専門店がたくさんあるほどだ。
店によって当たりはずれはあるものの、おいしいものにあたったときの喜びはひとしお!「カオマンガイ」をぜひ1度お試していただきたい。「海南チキンライス」を食べたことがあるかただったら、「カオマンガイ」との違いを比べてみるのも面白いかもしれない。
「カオマンガイ」には、鶏肉を揚げたバージョンの「カオマンガイトート」という料理もあり、こちらはタレが少し甘めになっているので、お好みでどうぞ。
お次は、もうひとつおまけにご飯料理。(カオマンガイがものすごく長くなってしまったので、お次からはさっくりといきます!)→
辛いないばかりがタイ料理ではない!?【1】
辛いないばかりがタイ料理ではない!?【2】