庶民的な街、高円寺に溶け込むイラン料理店

人によって、ある場所に踏み入れると、なんとなくワクワクするような、懐かしいような気持ちが湧き上がることってあると思うのだが、中央線沿線を行ったり来たりと、長い間中央線に住み続けていたわたしにとって、そのある場所とは、高円寺駅前である。

高円寺というと、三善里沙子氏の著書「中央線なヒト」ではないけれど、熱気ムンムンの庶民的な街、というイメージがあるとおり、ご近所さんだけでなく、よそ者もすっと受け入れてくれるような、あたたかい空気に満ち溢れているところが、なんとも心地よくて好きなのである。

そんな高円寺のなかでも、駅前は特に八百屋さんや惣菜店、飲食店などがひしめきあい、活気あふれる高円寺のイメージがピタッとはまる場所だ。その駅前商店街の一角に、以前このサイトで紹介したことがあるのだが、一軒の「イラン料理店(BolBolボルボル)がある。
このお店が、最近店内を改装し、メニューが増えたというので、行ってみることにした。

店内は艶かしい千夜一夜の世界を連想させる

店内
写真手前の毛糸で仕上げた絨毯絵画は、見惚れてしまうほど美しい!
店内は、テーブルやテーブルクロス、椅子などが統一され、さらには基本となる色も赤で統一されたからだろうか、以前と比べてぐっと明るくなり、スッキリとした印象を受けた。
壁の至るところにはイラン製の布や絵画が飾られ、床にはドドーンと大きなペルシャ絨毯が敷かれている。そして、天井近くからは赤い毛糸玉が下げられ、カウンターにはイランで「ガリユン」と呼ばれる水タバコが・・・。

店内は、お店の人やその友人たちが皆で作り上げたのかな、と思わせるような手作り感がありつつも、艶かしいあの千夜一夜の世界をも連想させる空間が広がっていて、一気に異国へトリップさせられる。何だか時間を忘れて心地よく酔えそうだなぁ、とそんなふうに想える空気が肌で感じとれるのである。

まずはこの料理を!

マーヒーチェ
ナンかライスがつく「マーヒーチェ1,700円」。好みだが、個人的にはライスと合わせるのをおすすめしたい。
料理だが、新しい料理が何品か増えたなかで、ぜひこれはオーダーしてみて!という料理を挙げるならば、まずは「マーヒーチェ1,700円」(要予約)だろう。

ラムのスネ肉とフレッシュトマトを煮込んだ豪快な料理なのだが、これがまた、ナイフを入れるとホロリと崩れるくらいやわらかいのである。といっても、肉はやわらかすぎず、適度に肉の食感が残っているところがこれまたよい。
その味わいは実に濃厚で、羊の旨さが凝縮されているのだと食べるごとに実感できる。いや~、この料理は羊肉好きにはたまらない!