カイロの商人の強壮剤はスパイスだった!
あのクレオパトラも美容のために食べていたものって?!
ピラミッド、ファラオ、ミイラ、エジプト文明・・・神秘的でどこか謎めいたイメージがある古代エジプト。今から約5000年も前から引き継がれている、古代エジプト人たちの技術の高さにはホントに驚かされる。料理に関しては、発酵パンとビール。これらはエジプトが発祥地。それから、食材の薬効。古代エジプト人は、食材がもつ薬効をいち早く知り、数種類のスパイスをブレンドして、体にとりいれていた。しかも美味しく。
体によいことと食の楽しみ方の両方を、ものすごく前から知っていたのだ。
現在でも、エジプト料理には古代エジプト人の知恵が息づいており、最近になって、エジプトの食材、スパイスなどの薬効などが世界中に知れ渡ってきた。
いくつか例にあげると、まずは『スパイス』。
古代エジプトでは、スパイスは貴重な薬、香料、化粧品などの役割を果たしており、なかでも、数種類のスパイスは精力がアップする妙薬として珍重されていた。その証拠に、「千夜一夜物語(アラビアンナイト)」の「アラジンの物語」では、このように伝えられている。
・・・子供に恵まれないカイロの商人が、市場の老人から強壮剤を手にいれ、それを飲んだらやがて子供が授かった。その強壮剤には、シナモン、クローブ、カルダモン、しょうが、白こしょうなどのスパイスが含まれ、オリーブオイルで煮立てたものだった・・・
これは古代の話ではなく、いまも一部の遊牧民の間では媚薬として愛用しているそうだ。
『にんにく』。
今となっては、精がつく食べ物として名高いが、古代エジプトではすでにその効果は知られていた。巨大なピラミッドを建設する際、労働者が過酷な労働を乗り切るための精力剤として、にんにくは欠かせなかった。ツタンカーメンの墓からにんにくの球根が発見されていることからも、このことは証明されている。
にんにくと同じく、『ゴマ』もピラミッドから発見された。
現在のエジプトでは、ゴマは精がつく食べ物として知られ、男性がここぞというときの前に(おほほ;)、ゴマのお菓子を食べる人が多いという・・・。
ゴマは男性だけではなく、実は女性にも効果的だとされ、古代エジプトでは、あのクレオパトラが肌のツヤを保つためにゴマの油を化粧品として、また若さを保つために食べてもいたそうだ。
クレオパトラは美容のために、この野菜も好んで食べていた。
『モロヘイヤ』。
日本でも栄養満点の野菜として有名になったが、原産地はエジプト。古代エジプトでは、王様の難病が治った野菜とされ、それ以来「王家の野菜」を意味する「モロケイヤ」「ムルキイヤ」(カタカナにすると難しい・・・)と呼ばれ、親しまれるようになった。
このように古くに栄華をきわめ、体によいものを日々の生活に自然に取り入れてきたエジプト人。
次のページでは、そのエジプト人が長い歴史のなかで食べてきた料理をレストランとともに紹介したいと思う。
■グルメにまつわる艶話Part1 ペルー編