各国の人たちからよくこんなことを言われます。“日本人って、どうしてそんなに食べるのが早いの?”昼食や家での食事のときによくそう思うとか。確かに東南アジアの国を例にみると、おしゃべりをしながらゆっくり食事を楽しんでいる姿をよく見かけます。料理の数はそれほど多くないのに、何でそんなに時間をかけられるのだろう?
その答えは食べ方にありました。アジアには肉や魚などを野菜といっしょにクルリと包んで食べる料理がたくさんあります。日本の鍋料理のように、ひと手間かけながらいただく料理は会話が盛り上がり、食事をともにしている人との距離も縮まったような気がするから、時間があっという間に経ってしまうというわけです。
さらにこの食べ方に注目したいのは、“おいしさと体によいことが一度に得られること”。
肉や魚を食べるときには必ずたっぷりの野菜とスパイスやハーブを入れるので、栄養のバランスがよく、豊かな香りまでも得られるのです。
料理の美味しさは食べる人やそのときの雰囲気により変わってくるもの。昼時は忙しくてそんな時間はないかもしれないけれど、夜だけでもゆっくり会話を楽しみながら食事を楽しみたいものですね。おいしさと食事の楽しさの両方を心得ている韓国の人たちが親しんでいる料理をご紹介します。
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豚肩ロースかたまり肉 …… 350~400g |
塩 …… 少々 |
長ねぎ(青い部分) …… 1本 |
にんにく(たたいておく) …… 3片 |
しょうが(皮つきのまま薄切り) …… 4~5枚 |
ごま油 …… 適宜 |
白菜 …… 1/4株 |
キムチ …… 適宜 |
えごまの葉 …… 適宜 |
あみの塩辛(いかの塩辛を軽く洗い細かく刻んだものでも) …… 適宜 |
香菜または万能ねぎ、松の実 …… 各適宜 |
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〔4〕〔2〕のゆで豚の水気をきり、まわりにごま油を薄くぬり、薄切りにする。皿にゆで豚、茹でた白菜、キムチ、えごまの葉を盛り、あみの塩辛、香菜、松の実をトッピングする。
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茹でた白菜に豚肉、あみの塩辛、キムチ、香菜をのせ、包んでいただきます。味つけはキムチとあみの塩辛のみなので、お好みにより量を調節するようにしてください。
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青じそと同じシソ科の植物ですが、ひとまわり大きくて肉厚。独特の香りがあり、スープやカムジャタンなどの鍋、キムチなどに使われます。
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あみというアミ科の甲殻類を塩漬けにしたもの。キムチを作るときやスープに入れるほか、細かく刻んで調味料としても使われます。