東京には世界旅行気分が味わえるほどたくさんの各国レストランがある。“今日は何料理にする?この前は~料理を食べたから今度は~料理にしようか・・・”という会話も珍しくなくなった。各国料理店に行くと、個性豊かな料理の数々にそれぞれ刺激を受けるけれど、中でもすごく印象に残る店、身をもって食文化、宗教の違いを感じる店というのがある。そのひとつがアルコール類を一切出していない禁酒レストランだ。

禁酒を重んじている国といえばイスラム圏。“人は誘惑に負けてしまう弱い生き物で、お酒を飲むと良からぬことをしてしまう”という「人間性弱説」の教えを厳格に守っている地域だ。日本にもイスラムの戒律に従って自国の料理を提供しつづけている店が何店かあるので紹介したいと思う。

池袋 パキスタン料理店「マルハバ」


池袋北口から歩くこと5分。モンゴル料理店「故郷」と同じビルの2F、周りに飲食店が少なく決して便利とはいえない場所に、マルハバはポツリと佇んでいる。
そんな意表をつくシチュエーションがさらなる期待を高めているように感じる。重厚な扉を開けると、店内は開放的な雰囲気。ゴージャスな調度品が所々飾られているものの、照明が暗めで客が少ないせいか、一見日本人客を受けつけないような独特な空気に包まれている。がしかし、すぐに慣れて寛げる、そんな不思議な魅力もある。

ランチ、ディナーともによく足を運ぶけれど、わたしが行くときはいつもたまにパキスタン人が集っているくらいで、“この店大丈夫かなぁ?”と心配してしまうくらい、いつも客が少ない。わたしが行くときだけだったいいけれど・・・、ちょっと心配してしまう。

料理は豆の粉(ベサン)から作ったスパイシーなチップスをはじめ、カレー、ビリヤニ(ピラフ)、サモサなどメニューは豊富。マトンブレインマサラ(羊の脳ミソカレー)など珍しいものもある。
おすすめはインディカ米をつかったカレー味のビリヤニ。最初はそのままで、残りの半分はヨーグルトにミントや青唐辛子がはいったグリーン・チャトニをかけて食べるのがわたしのお気に入り。

スパイシーな味にヨーグルトの酸味が加わり、爽やかな後口が愉しめるのでこの食べ方が気にいっている。南インド料理でも最後に米飯にヨーグルトをかけて食べるけれど、それとはまた違った味わいなのでこれはぜひ体験していただきたい。