メキシコの主食といえば、トルティージャ。トルティージャはとうもろこしから作った薄いクレープのような生地のこと。これにいろいろな食材をはさんで食べるのが、おなじみのタコス。
豊かな土壌と多様な気候帯、陽気な人たちから創り出されるメキシコ料理は、この他にもまだまだたくさんある。その数は、驚くことになんと約4000種類を越えるという。
いまや日本では世界中の料理を食べられるようになったけれど、現地に行けば想像を絶するような未知なる料理がたくさんあってほんとうに驚く。北は砂漠、南は熱帯雨林という気候帯を持つ今回の旅国、メキシコも然りだった。
短い滞在中に出合った、日本人の想像を絶するような、ちょっと驚く食材の組み合わせやユニークな素材などを紹介したいと思う。

チョコレートソースや唐辛子丸ごと料理、虫料理まで

■Mole Poblanoモーレ ポブラノ
モーレ
チキンや七面鳥の上にモーレソースをかけたメキシコ版おふくろの味。地域により味、色、使う材料が異なる

メキシコ料理を代表するお祭り料理のひとつ。プエブラという都市の修道院で最初に作られたといわれ、今ではプエブラ洲やオアハカ洲が有名。
この何とも奇妙な黒い色は、なんとチョコレート。地域によって使う材料が違ってくるけれど、基本的にはチョコレートに数種類の唐辛子、シナモンやクローブなどのスパイス、トマト、ナッツ、レーズン、ゴマなどが入る。ピリッとスパイスが効いたほんのり甘くて苦い味は、今までに食べたことのないような濃厚で複雑な味。
最初に食べた時は、“ん?なにこの味?!”と、頭が???になったけれど、食べれば食べるほどはまってしまった。好き嫌いがはっきり分かれる料理だと思うけれど、メキシコ料理の中でまずトライしたい一品だ。

日本でこの料理を食べるにはココ!
フォンダデラマドゥルガーダ
・ポサーダ デル ソル

東京都世田谷区赤堤4-40-7-2F TEL:03-5300-9970
11:30~15:00 18:00~22:30(金土~2:00AM)水休
京王線下高井戸駅から徒歩1分
Yahoo!地図情報

* ひと口メモ *
日本ではモーレソースの材料が揃わないこともあって、既製ソースを使うところがほとんど。やっぱりメキシコで食べるのとは味が違うのが残念。

■Chile en Nogadaチレ エン ノガタ
チレノガタ
“チレ・ポブラーノ”という大きな唐辛子の中に詰め物をした「チレ エン ノガタ」想像を絶する味だ。

9月16日の独立記念日食べる料理。パプリカのようなすごく大きい唐辛子の中に、豚ひき肉や、松の実など数種類のナッツ、レーズン、バナナなどを詰め、生クリームベースのソースをかけたもの。これにザクロ、クルミなどをトッピングしている。
これを初めて口にしたときは、モーレ(上記の料理)とは比べものにならないほど驚愕した。見た目から甘くて濃厚なんだろうな、とは想像していたものの、食べたら想像をはるかに上回る不思議な味だった。詰めものは甘酸っぱくてなかなか。ベトナム近隣国でよく食べる豚挽き肉とフルーツがはいった甘酸っぱい月餅を彷彿とさせる味とでもいえようか。
ここまではいい。ただ、まわりのコッテリ甘いソースといっしょに食べると、・・・言葉を失う。
私が生クリームコッテリ系料理があまり得意ではないからかもしれないが、はっきりいって、自ら好んでは食べない。それでも食べ続けたら違うかもしれない、と何回かチャレンジはしてみたけれど、やっぱりダメだった。食文化の違いを身をもって思い知らされた料理だ。

■Gusanos de Magueyグサーノス・デ・マゲイ
グサーノス1
“グサーノス”という竜舌蘭の葉につくイモ虫を素揚げにしたもの。お酒のおつまみとして人気。

写真を見て、“でた~”と叫ぶひとも多いのではないだろうか。これは見ての通り、お虫さん料理。
虫は、竜舌蘭の葉につく全長3~5cmほどのイモ虫。これを素揚げして塩を振ったものだ。このまま食べてもいいし、付け合せのアボカドのペーストにつけて食べてもよし。
あまり聞きたくないひともいるだろうから、詳しいことはここでは控えさせてもらうけれど、ひと言だけ。同席した友人は、これが運ばれてきたときはギョッとしていたけれど、ひと口食べた後はビールのつまみにこれは結構いける!と言って、結局全部平らげていた。

* ひと口メモ *
チレ エン ノガタ同様、この料理は東京でお目にかかったことがない。
たんぱく質と脂肪が主成分の昆虫は、宗教上の理由からかもともと動物をあまり食べないからか、一部の国を除いて、現在何らかの形で世界中で食べられている。その数はざっと500種類を超えるらしい。メキシコではそのうち300種類以上も食べられているとか。
昆虫食は大昔から人が好んで食べてきた、また人が助けられてきた伝統的な栄養豊富な食品。イカモノ食いの対象としてではなく、人々の生活に欠かせない安定した供給源として、わたしは昆虫食を今後見直していきたいと思っている。


写真の料理はコチラ↓のレストランのもの
メキシコ・シティ「Santo Domingo サントドミンゴ」
サントドミンゴ店内
サント ドミンゴの店内。鮮やかな色が溢れ、陽気な気分で食事がいただける

Belisasrio Dominguez 72
TEL:5526-5276 月~土9:00~22:30 日9:00~21:00
治安があまりよくなく、細い道が入り組んだ路地に位置する老舗。(夜行くなら必ずタクシーを利用して!)かなり有名なレストランだから眉唾物かな、と思っていたものの、メキシコ人に評判を聞いてみると、なかなかいけるということ。
店内には色とりどりの旗や伝統的な陶磁器、壁画などが飾られ、雰囲気はなかなか。陽気な音楽がメキシコ気分を一層引き立ててくれる。
ここはメキシコの伝統的な料理が(郷土料理もあり)ある程度揃っているので、滞在期間が短い人にもおすすめ。

メキシコの珍料理はまだまだ続く・・・→

<世界の食紀行>~メキシコ編~ vol.1最近のメキシコ・シティ
<世界の食紀行>~メキシコ編~ vol.2サンミゲル・デ・アジェンデ
<世界の食紀行>~メキシコ編~ vol.4メキシコの庶民の味【1】
<世界の食紀行>~メキシコ編~ vol.4メキシコの庶民の味【2】
<世界の食紀行>~ ネパール編 ~
<世界の食紀行>~ ベトナム編 ~
<世界の食紀行>~ トルコ編 ~