ベトナムでは、朝食はおかゆ、昼食は麺もしくは夕食同様ご飯に肉または魚料理、たっぷりの野菜料理、スープを添えていただきます。
これは一例ですが、まずは鶏肉料理。
塩と香味野菜をいれて茹でただけの鶏肉は、せん切りにしたラー・チャン(タイ料理でバイマックルーといわれるこぶみかんの葉)をかけ、レモンを搾ったこしょう塩につけていただきます。
こちらは、空芯菜のスープ。
おひたし用に塩茹でした空芯菜(写真上)のゆで汁に、少量の空芯菜、すりごま塩を加え、レモンを搾ります。
デザートのパイナップルには、唐辛子塩をつけて。
ベトナム全土のなかでも、特に北部のハノイの家庭料理は、砂糖やヌクマムを効かせた濃い味が好まれる南部ホーチミンに比べ、素材の持ち味を生かすようにシンプルにいただきます。
とはいえ、最近のベトナムでは、外国企業の進出が目覚しいこともあり、ライフスタイルが次第にかわり、食にも影響を及ぼしているようです。
このことについてイエンさんはこう言います。
「最近ベトナムでは、食事にかける時間が短くなって、外食の種類も増えて選べるようになったので、家庭でゆっくり食事をする習慣が薄れてきましたね。料理も手間を省くようになりましたし。混ぜ塩もいまでは何種類かは市場で売っています。
ベトナムは、肉でも野菜でも素材が新鮮だから、シンプルに塩で食べるのが一番美味しい食べ方だと思います。今後もこれは伝えていきたい食べ物ですね。」
確かに。
新鮮な素材をシンプルにいただくのが一番の美食なのではないかと、わたしも切に思います。
12種類の混ぜ塩がトレーで運ばれてきたとき“うわっ、これが塩?なんて豪華な料理なんだろう!”と感嘆の声をあげてしまいました。それほど、その様は圧巻ものでした。
たかが塩だとおもうかたもいらっしゃるかもしれませんが、されど塩。
そのままでも素材の持ち味を引き出してくれる素晴らしい調味料なのに、ひと手間かけたら魔法の調味料。
ベトナムの塩使い、ぜひとも学びたいものです。それから、この塩使いが今後も伝えられることを願っています。
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