リストランテ・ホンダ（外苑前）(2ページ目)

桃あっての一品！

桃の使い方が素晴らしい「桃とウイキョウとツブ貝のサラダ」。

1品目の前菜は、「桃とウイキョウとツブ貝のサラダ」です。最大のポイントは桃。桃以外は、見た目からも想像できる通りのサッパリとした味わいなのですが、桃の甘みやみずみずしさが加わることによって、味の輪郭をいい意味でぼかす。つまり、味にまるみが与えられ、サッパリとした中にも豊かな味の深みを感じさせてくれるのです。ゆえに、桃なしでは成り立たない一品といえるでしょう。

この香りの盛り込み方には脱帽！　「ハマグリのフラン　フォアグラのせ　トリフ風味」。

「ハマグリのフラン　フォアグラのせ　トリフ風味」は、ギリギリのやわらかさに仕上げられたフランの上に、細かく刻んだ黒トリュフ入りのコンソメスープが張ってあります。中には大粒のハマグリが。これをしっとり艶かしいフォワグラ＆薄～く削られたサマートリュフとともにいただく一品です。

これは何と言っても、ハマグリから放たれる潮の香り、フォワグラの芳醇な香気、そしてトリュフのもつ品格ある香りがつくり上げる「香りのアンサンブル」。これに尽きるでしょう。はじめて体感するようなハーモニーですね。

金賞を与えたいです！

他店とは一線を画す「人参のムース　北海道産生ウニ添え」。

続く3品目の前菜「人参のムース　北海道産生ウニ添え」は、ムースから漂うにんじん＆クリームの甘みがとても印象的。ムース単体で口へ運ぶと、その甘みだけが際立つ感じですが、表面を覆う黄金色のコンソメが気品溢れるテイストなので、全体としてのバランスが非常にいいです。コンソメが味にシャープ感を与え、生ウニが濃厚な甘みと程よい潮の香りを。そしてその中で、ムースの心地よい甘みがぐぐっと主張する感じです。

この「人参ムース」、「生ウニ」、「コンソメ」の組み合わせは他店でもよく見かけるものですが、ボクはそんな数ある中でも、この一品に金賞をあげたいですね。

夏No.1パスタはこれで決まり！

ペースト状の鮎を詰めた「鮎のアニョロッティー　アーモンドソース　花山椒の香り」。

続いてはパスタです。爽やかさの中にもしっかりとしたコクが共存した「冷製のカッペリーニ　ガスパッチョ仕立て　北海道産毛蟹と共に」や、鮎をまるごと（骨は抜いてある）を使用した「鮎のアニョロッティー　アーモンドソース　花山椒の香り」も素晴らしかったですが、何といっても忘れられないのが、最後に供された「北海道産生ウニのタリオリーニ」。記憶を呼び起こすだけで興奮してくる一品です。

昼は日が差し込み、夜はとてもムーディな雰囲気。

高々と盛りつけられたそのルックスもさることながら、口に含んだ時のギャップ、いい意味での味わいのギャップに思わずたじろがされます。パスタ全体に満遍なくウニが絡められているので、ウニの濃厚な風味がガツンとくるのかと思いきや、実に清涼感のある夏向きのテイストなのです。決してウニの風味が弱いのではありません。ウニの香り、コクは非常にしっかりとしているのですが、見えないところで「トマトの酸味」が、その香りとコクを支えます。つまり、具の主役は明らかにウニなのですが、それが成り立つのも、トマトが立派な陰の立役者となっているからなのです。このベストバランスで調和したフィリングを受けとめるタリオリーニも、しなやかなコシと圧倒的な粉の旨みを備えているので、もはやツケ入る隙などありゃしません。これぞまさに「夏No.1パスタ」！　傑作ですね。


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